2010年1月11日(月)14:34

ヨシポヴィッチ新大統領はクロアチアのEU加盟を目指す

AFP

クロアチア大統領選の決選投票で大差の勝利を収めた社会民主党のイヴォ・ヨシポヴィッチ国会議員は、クロアチアを速やかにEU加盟へと導く意向を表明した。私は「欧州のクロアチア」のために尽力する、と法律の専門家でもあるヨシポヴィッチ議員は選挙戦の勝利後に語った。52歳のヨシポヴィッチ候補は60.3パーセント、無所属のミラン・バンディッチ、ザグレブ市長は39.7パーセントの得票率であった。

野党社会民主党SDPの中央本部では数百名の支持者が「イヴォ、イヴォ」と叫びながら、勝利者を迎えた。ヨシポヴィッチ氏は演説の中で、これはすべてのクロアチア人にとっての勝利であると述べ、私は大統領として、民主主義、自由、人権といった価値を重視する「欧州のクロアチア」のために尽力すると宣言した。有権者は約440万人で、選挙管理委員会によれば投票率は50パーセント強であった。

専門家はヨシポヴィッチ氏に対して、EU加盟の一番の妨げになっている汚職撲滅を期待している。新大統領は2012年までにクロアチアをEUに加盟させる意向である。保守系のヤドランカ・コソル首相は選挙結果を歓迎し、ヨシポヴィッチ新大統領と協力する意向を表明した。首相の属する保守のクロアチア民主同盟(HDZ)には、現職のスティエパン・メシッチ大統領も所属していた。メシッチ大統領はすでに2期務めており、3選は禁止されていた。

選挙戦では両候補とも汚職の防止とクロアチアのEU加盟を訴えた。しかしバンディッチ候補と異なり、ヨシポヴィッチ氏には汚職の疑惑がなく、すでに第1回の選挙で32.4パーセントの票を集めていた。バンディッチ候補は14.8パーセントにとどまっていた。

しかしその後ザグレブ市長のバンディッチ候補は保守の票の取り込みに全力を尽くした。反対者からは大衆迎合的な言辞を弄しているとの批判があがった。また同候補がまったく外国語を話せないことも批判された。

2月18日に新大統領に就任するヨシポヴィッチ氏に対しては、政治的経験に欠けるとの批判があった。しかしヨシポヴィッチ氏は前任のメシッチ大統領の支持を得ていた。クロアチアでは大統領と政府の権限は明確に分割されている。大統領は外交でも基本的方向性について権限を持つ。

原題:Neuer Praesident Josipovic will Kroatien in die EU fuehren




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