2010年1月12日(火)
ベルリン(AP)
ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、内政面で脆弱なボスニア・ヘルツェゴヴィナが待望の欧州連合加盟を果たすにはまだ当分は待たねばならないとの見解を表明した。EU加盟展望にはまだ「長い道のり」が控えており、すぐ目前というわけではない。しかしドイツは基本的にボスニア・ヘルツェゴヴィナのEUおよびNATOへの加盟努力を支援する、とメルケル首相は火曜日、ベルリンの官邸でボスニア・ヘルツェゴヴィナのジェリコ・コムシッチ大統領評議会議長との会談を終えて語った。
またボスニア・ヘルツェゴヴィナの求めるEU入国ビザの取得免除についても、メルケル首相によれば「まだいくつかの課題が残っている」という。セルビア、マケドニア、モンテネグロの国民は12月下旬以降ビザなしで欧州連合への入国が認められている。しかしボスニア・ヘルツェゴヴィナとコソボに対してはビザ取得義務が撤廃されておらず、アルバニアについても同様である。
ボスニア・ヘルツェゴヴィナはボスニア・ヘルツェゴヴィナ連邦および「スルプスカ共和国」に分かれている。大統領評議会はクロアチア系ボスニア人、ボスニア人、セルビア系ボスニア人それぞれの代表から構成され、評議会議長は8ケ月交替の輪番制である。
ボスニア・ヘルツェゴヴィナには、現在120名のドイツ人兵士が平和維持のための欧州連合部隊アルテアAltheaの活動のために駐留している。ボスニア・ヘルツェゴヴィナの内政状況は依然不安定と見られている。民族主義的な諸政党が依然改革を阻止し、国家の機能を阻害している。アルテアの目的は、国家機構と自主的安全保障の構築のために安全な環境を作り出すことにある。
原題:Bosnien-Herzegowina muss auf EU-Beitritt warten