2011年1月20日(木)19:27

ドイツ政府はブルガリアとルーマニアのシェンゲン圏加盟に反対

AFP

ドイツはブルガリアとルーマニアのシェンゲン圏加盟問題で反対姿勢を崩していない。依然「司法制度と汚職に関して欠陥と批判」がある、とドイツのトーマス・デメジエール内相(キリスト教民主同盟CDU)はハンガリーのゲデレーでドイツ政府の反対理由を説明した。ギリシャのクリストス・パポウツィス内相は、ドイツからギリシャへの難民の移送停止を歓迎した。

ブルガリアとルーマニアは、自国の国民がパスポート検査なしに他の欧州25ヶ国に旅行できるよう、3月のシェンゲン圏加盟を期待している。しかしデメジエール内相は、ハンガリーの首都ブダペスト近郊のゲデレーで行われたEU内相理事会で、ドイツ政府は加盟を「時期尚早」と考えていると強調した。

シェンゲン圏加盟には技術的な要求だけでなく、司法制度や汚職撲滅での前進が前提条件とならねばならない、とデメジエール内相は求めた。フランスのローラン・ヴォキエEU担当相もデメジエール内相を支持した。シェンゲン情報システムのデータバンクから犯罪者の手に情報が渡れば、ヨーロッパの内なる安全は危機に瀕する、とヴォキエEU担当相はヘルシンキで語った。

ドイツとフランスは昨年12月、ブルガリアとルーマニアの早期シェンゲン圏加盟に反対する共同書簡を発表している。加えてブリュッセルのEU外交筋の情報では、ブルガリアの対トルコ国境の安全管理に関する報告書が否定的な内容となったという。ブルガリアが加盟できなければルーマニアの加盟もありえないという。

ルーマニアのトライアン・コンスタンティン・イガス内相はゲデレーで、わが国はすべての要求を満たしており3月のシェンゲン圏加盟の準備が整っていると述べた。ハンガリーのシャーンドル・ピンテール内相はこの発言を支持し、ルーマニアが2011年上半期のハンガリーのEU議長国任期中にもシェンゲン圏に加盟するだろうとの期待を表明した。しかしそれが実現するか否かを判断するのは「時期尚早」である、と欧州委員会のセシリア・マルムストロム内務担当委員は述べた。

EU27ヶ国内相理事会のもう一つのテーマは、ギリシャの難民をめぐる情勢であった。デメジエール内相は、「欧州連合では自明の人権水準を確保する」ようギリシャに求めた。デメジエール内相は昨日水曜日、ギリシャからドイツに来た難民申請者のギリシャ送還を1年延期することを決定している。

原題:Berlin gegen Schengen-Beitritt Bulgariens und Rumaeniens




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