2011年1月26日(水)16:08
AFP
セルビアのボリス・タディッチ大統領は、長年国際社会から身柄引き渡しを求められている旧ユーゴ戦犯容疑者のラトコ・ムラディッチの捜索を政権の最優先目標にすると述べた。同様に組織犯罪撲滅に対しても最大限の努力を行う、と大統領は水曜日ストラスブールの欧州評議会の議員会合で宣言した。セルビアはすでに欧州連合(EU)加盟申請を伝えている。しかし欧州委員会は戦犯容疑者、なかでもかつてのボスニア・セルビア軍司令官ラトコ・ムラディッチの身柄引き渡しをEU加盟の条件としている。
セルビアはEU加盟に向けて「順調に」進んでいるとタディッチ大統領は続けた。セルビア政府は近々欧州委員会からの一連の質問に答えるつもりであり、その後ほどなく公式の加盟申請書の提出と加盟交渉の開始が可能になるものと期待している、と大統領は語った。
ラトコ・ムラディッチならびに自ら宣言したクロアチア内の「セルビア・クライナ共和国」の大統領ゴーラン・ハジッチはハーグの国連旧ユーゴ戦犯法廷から身柄引き渡しを求められているが、数年前から逃亡中である。二人は1990年代のユーゴ内戦において数千人を殺害した罪が問われている。
ムラディッチ容疑者はボスニア戦争(1992年〜1995年)における民族虐殺、戦争犯罪および人道に対する犯罪で訴えられている。とりわけハーグの国連戦犯法廷は、およそ10,000人の死者を出した44ケ月におよぶサラエボ包囲と、8,000人の犠牲者を出したスレブレニツァの虐殺の責任を問うている。
原題:Serbien nennt Jagd nach mutmasslichem Kriegsverbrecher oberstes Ziel