2013年1月23日(水)

キャメロン首相のEU脱退警告に厳しい批判

英首相はEU改革も求める

AFP

欧州連合(EU)改革の要求と英国のEU残留を問う国民投票を結びつけたデーヴィッド・キャメロン首相に対し、厳しい批判の声が上がった。ドイツのギード・ヴェスターヴェレ外相(自由民主党FDP)は「つまみ食い」を行わぬようイギリス政府に警告した。フランスのフランソワ・オランド大統領は、EUは「取引の対象ではない」と述べた。

ヴェスターヴェレ外相は新たな例外規定を要求せぬようイギリス政府に警告した。「すべてをブリュッセルで決める必要もなければ、ブリュッセルによって決められる必要もない。しかしつまみ食いの政治は機能しない」と外相はベルリンで語った。アンゲラ・メルケル首相(キリスト教民主同盟CDU)は、「イギリスの希望について話し合う」用意があるが、「他の国々も他の希望があること」に配慮する必要があると述べた。

オランド大統領は、イギリスが欧州連合の残留または脱退を国民投票で決定するのは結構だ。「しかし私はフランスを代表して、また欧州人として、その国民投票を可能にするためにEUを取引の対象とすることは許されないと言っておく。」EUは改革可能であるが、何人も「残留する意向を口実に、それをこきおろしたり、軽視したりすること」は許されないと警告した。

キャメロン首相はこの日の朝ロンドンで、数ヶ月前から注目された対EU関係に関する演説を行い、EUは大きな課題に直面していると警鐘を鳴らした。その例として首相はユーロ圏の諸問題、競争力の不足、ならびにEUが人々からますます乖離し、人々の不満が高まっていることを挙げた。これにより「EUが破綻し、イギリス人が脱退へと流れる危険性が生じている」。しかし私はそれを望むものではない、とキャメロン首相は語った。

キャメロン首相はジャーナリストや実業家を前に行ったこの演説で、2015年に再選された場合はまず英国のEU加盟条件を新たに交渉し直す意向であると発表した。そして2017年までに「その新たな条件でEUにとどまるのかそれとも完全に脱退するのかという、残留か脱退かの二者択一を問う国民投票」を実施すると述べた。キャメロン首相は数か月前から、所属する保守党の反EU派の圧力にさらされている。

欧州委員会の広報官は、「英国が積極的なメンバーとして欧州連合の中心に位置することはEUの大きな利益であり、また英国の利益にもかなうことである」と述べた。イタリアのマリオ・モンティ首相は、英国民の多数はEU残留を望んでいるとの確信を表明した。ベルギーのヒー・フェルホフスタット前首相はターゲスシュピーゲル紙Tagesspiegelで、キャメロン首相は「党内問題を抱える」党首として発言したのだと述べた。

原題:Scharfe Kritik an Camerons EU-Ausstiegsdrohung
Britischer Premier verlangt ausserdem EU-Reform




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