2014年1月21日(火)14:35

EUはセルビアとの間で加盟交渉を開始

セルビアは2020年までの加盟を期待

AFP

欧州連合とセルビアはEU加盟協議を公式に開始した。我が国はこれにより欧州を目指した「新たな戦略的方向」に舵を切る、とセルビアのイヴィツァ・ダチッチ首相は加盟に関する会議を終えて語った。欧州委員会のシュテファン・フューレEU拡大担当はセルビア政府に対し、まだ多くの課題と「厄介な」手続きが待っていると釘を刺した。

「今日は第二次大戦終結以降セルビアにとって最も重要な一日になったと思う」とダチッチ首相は述べた。首相は加盟プロセス開始とともに文書が調印に至らなかったことに遺憾の意を表明した。「万年筆を博物館に寄贈する機会を逃した。」ダチッチ首相は、2018年にEU加盟の前提条件をすべて満たし、2020年に加盟を果たすという野心的な目標を掲げた。「私は欧州連合の次の加盟国がセルビアになると信じて疑わない。」

しかし4年間で加盟交渉を完了させるという計画は現実的とは見なされていない。とりわけかつてのコソボ自治州とセルビアとの難しい関係が障害である。キリスト教民主同盟(CDU)のエルマー・ブローク欧州議会議員は、この点に関しては確かに進展があった。しかしセルビアは欧州連合の水準に達していないため加盟協議は最長で8年かかると私は考えている、とドイチュラントラーディオ・クルトゥーア放送Deutschlandradio Kulturに語った。ブローク議員は法治国家、経済の競争力、汚職撲滅という点に課題があると考えている。

明日水曜日に最初の準備協議が始まるが、フューレ委員はいつ最初の交渉分野の協議を始めるかについては明言を避けた。フューレ委員は加盟交渉プロセスを踏まえて「この予行演習はきわめて難しいものになるだろう」。とりわけ法治国家、基本的権利、司法の面でセルビアにはまだたくさん課題が残っている、と釘を刺した。

これまでの加盟交渉プロセスとは異なり、EUはセルビアとの間では、問題の少ない分野から片付けて行くのではなく、難しい分野を真っ先に交渉の対象として取り上げる意向である。また、EUの仲介のもと昨年4月に締結された協定をさらに進める形でコソボとの関係正常化を図るようセルビア政府に要求している。「セルビア政府は今後、コソボとの関係正常化に専念する必要があるだろう」とフューレ委員は述べた。

ダチッチ首相はブリュッセルで、コソボとの協定を実行に移すことを約束した。セルビアがコソボの独立を承認するか否かについては明言を避けた。かわりにセルビアとコソボの難しい関係において、解決しなくてはならない数多くの問題があることを指摘した。だが首相の祝典気分に水を差されることはなかった。セルビアに「大きな期待」が待ち受けていると考えるダチッチ首相は、「今後の道のりが容易でないことは承知している」。「しかし私たちセルビア国民は、万事がいつも少しばかり難しい自国の状況に慣れている。今回もしすべてがスムーズに進めばむしろ驚いてしまうだろう」と語った。

原題:EU und Serbien nehmen Beitrittsgespraeche auf    
Balkanland hofft auf Aufnahme bis 2020




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