2016年1月10日(日)

ポーランドで新たなメディア法に対する数万人規模の抗議デモ

AFP

土曜日、ポーランドの20以上の都市で数万の人々が、論議を呼んでいる新たなメディア法に抗議するデモを行った。市当局によればワルシャワだけでもおよそ2万人が公共放送TVPの前に集まったという。参加者はポーランドとEUの旗を振り、「自由なメディア、自由なポーランド!」と叫んだ。欧州議会のマルティーン・シュルツ議長(社会民主党SPD)は、ロシア型の「統制的民主主義」を確立しようとしているとポーランド政府を非難した。

デモは民主主義防衛委員会(KOD)が呼びかけた。参加者は「民主的なメディア」を要求し、政府を批判するシュプレヒコールを行った。ベルリンのウンター・デン・リンデン通りでもKODの呼びかけに応じて主催者発表で数十名がデモを行い、ポーランド政府の政策に抗議した。プラカードには「自由なメディアなくして民主主義なし」とのスローガンもあった。

「私はまだ共産主義やプロパガンダや検閲を覚えている。私は孫たちが再びそれを体験しないよう望む」とデモ参加者のひとり、51歳のヤチェク・キシエレフスキさんはワルシャワで語った。「今日は公共メディア、明日は民間メディア、そして最後には国全体を支配下に置こうとしている」と45歳のエーヴァ・スタニスラフスカさんは批判した。

新たなメディア法はポーランドの公共放送を事実上政府の支配下に置くものである。ポーランド議会はこの法案を年末から年始にかけての迅速手続きで可決し、木曜日(1月7日)にはアンジェイ・ドゥダ大統領の署名も行われた。これより前、議会多数を占める民族保守派は、間接的に憲法裁判所の機能停止をもたらす法案を可決している。

これらの措置により、ベアタ・シドゥウォ首相率いるポーランド新政権はEU内で厳しい批判にさらされている。シュルツ欧州議会議長は民主的な原則に違反しているとしてポーランド政府を非難した。「ポーランド政府は選挙の勝利で、国の公益を党の意のままにしても良いとの全権を得たと考えている。中身でも人事でも」とシュルツ議長はフランクフルター・アルゲマイネ日曜版で述べた。

同紙はまた、ポーランドの法治国家性に対する詳細な審査を開始することに対して、欧州委員会で合意ができたと報じた。同紙によればフランス・ティメルマンス副委員長が審査を司るという。審査は加盟国の法治国家性の維持をはかる手続きの前段階である。

欧州委員会は水曜日(13日)にポーランドの法治国家性の審査に入る。ドイツ連邦議会キリスト教民主同盟・社会同盟(CDU/CSU)のフォルカー・カウダー議員団長(CDU)は、制裁の可能性を排除していない。「もしEUの価値に対する違反が確認されれば、加盟国は勇気を出して制裁に踏み切らねばならない」とシュピーゲル誌Der Spiegelに述べた。

「ポーランド政府は、EUでは特定の基本的価値の違反が許されないことを知らねばならない」とカウダー議員団長は述べた。欧州議会キリスト教民主同盟・社会同盟のヘルベルト・ロイル代表(CDU)は、ポーランドに対する経済制裁を支持した。「対話という政治手段が機能しなければ、経済制裁を行う必要がある」とロイル代表は同誌に語った。

シュピーゲル誌の報道によれば、ポーランドのシドゥウォ首相は2月12日に就任後初のベルリン訪問を行う意向であるという。同紙によればドイツ政府はすでに昨年11月、保守派のシドゥウォ新首相を招いたものの、これまで承諾の返事は得られていなかった。しかしドイツ政府もポーランド政府もこの日程を公式に確認していない。

原題:Zehntausende Polen protestieren gegen neues Mediengesetz




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