2016年1月19日(火)21:59
AFP
ポーランドのベアタ・シドゥウォ首相は、メディアと憲法裁判所の改革を定めた異論のある法律について断固修正を拒否した。自らの民族保守派政党「法と正義」PiSが昨秋その選挙公約で政権与党に選ばれたのだ。「私たちはその政策を遂行するつもりだ。割り引きはない」とシドゥウォ首相は火曜日、ストラスブールの欧州議会で述べた。
欧州委員会がポーランドに対して開始した法治国家監督是正手続きについてシドゥウォ首相は、わが国にそれほどの時間を割く「理由はない」。EUは現在「もっと重要な問題」を抱えているのだからなおさらである。わが政府はEUと対話を行う用意はあるが、「自由と主権」を放棄するつもりはない、と主張した。
これより前、議長国オランダの代表としてバート・クーンデルス外相が法治国家監督是正手続きについて釈明した。この適用はEUの歴史上初めてとなる。
EU条約の第2条では共同体の価値が挙げられている。民主主義と法治国家である。この原則はすべてのEU加盟国が守らねばならない、とクーンデルス外相は述べた。「財政や漁業について議論するなら、我々は法治国家制度についても議論しなければならない」と外相は語った。欧州委員会のフランス・ティメルマンス副委員長は「不偏不党で証拠に基づいた協同的な」審査を行うと約束した。
シドゥウォ首相は欧州委員会のやり方を批判した。EUは「主権を持つ平等の国々の共同体」である。ポーランドは自由な国であり、「内政に関する主権的決定」の権利が認められなければならない。「私たちは検閲には我慢できない」と首相は述べた。
シドゥウォ首相は憲法裁判所改革への批判に対して、前政権の「誤り」を「修正した」にすぎないと説明した。政府の意図は裁判所の「バランス」を取ることであり、新たに任命したのは15名の裁判官のうちわずか5名である。野党の権利も尊重されている、と首相は述べた。
ポーランド政府は11月に政権についてから、前政権による5名の憲法裁判所裁判官の任命を取り消した。憲法裁判所は12月、新政権による任命のうち3名の任命については適法でないとの判断を下した。新たな法律では、憲法裁判所の判決には今後3分の2の賛成が必要と定められている。
今後は独立の委員会の代わりに直接政府が公営のテレビ局TVPとラジオ局PRの総裁を任命または解職できるというメディア法改正もEUの批判を受けている。これについてシドゥウォ首相は、放送局が「非政治的で独立した」報道を行うことを目的としたものだと述べるにとどまった。
大半の会派はシドゥウォ首相の説明に厳しい批判で答えた。EUは価値共同体であり、単なる共通市場にとどまらない、とスペイン社会民主党所属のエステバン・ゴンザレス・ポンス欧州議員は釘を刺した。自由党のギー・フェルホフスタット議員団長は、ポーランド政府は法律を改正しても良いが「EUの価値」を変えてはならない。新たな規則はポーランド憲法裁判所の機能を麻痺させる、と批判した。
原題:Polnische Regierungschefin lehnt Anderung umstrittener Gesetze ab