2016年1月23日(土)16:04
AFP
土曜日、ポーランドの30以上の都市で再び右翼保守派政権に反対する数千人規模のデモが行われた。ワルシャワでは市民がベアタ・シドゥウォ首相の官邸前に集まり、大統領宮殿に向けてデモ行進した。レフ・ワレサ元大統領は政府による司法とメディアの法律改正を「国を破滅させるもの」と非難した。
ワルシャワのデモでは参加者の頭上にポーランドと欧州連合の旗が翻った。プラカードには「プーチン化に反対、監視に反対、共産主義に反対」というスローガンや、ポーランド政府がドイツを攻撃している事情を踏まえて「私はEUを愛する。ドイツを含めて」という文章が見られた。
ポーランドの他の都市でも同様のデモが行われた。今回のデモにより、民主主義防衛委員会(KOD)はヤロスワフ・カチンスキ元首相率いる「法と正義」PiSの現政権に対する抗議活動を継続したことになる。カチンスキは公式的には単なる党首であるが、アンジェイ・ドゥダ大統領もシドゥオ首相も、カチンスキ党首が政策の方針を決めていることを認めている。
「私たちは革命家ではない。私たちの民主主義と自由を守りたいだけだ」とKODの創設者マテウシュ・キヨフスキは語った。自然発生的に創設された市民社会グループのKODは、大半の野党から支持を得ている。KODは昨年11月に発足したカチンスキ率いる与党に対して、政府の政策を妨害なく推し進められるよう、自らに都合のよい人間を重要なポストに送り込んでいる、と非難している。
中でも、5名の新たな裁判官の任命により憲法裁判所を政府の掌握下に置くという多数派政権の試みは憤激を買っている。加えて公共のテレビ局TVPとラジオ局PRの長を独立の委員会ではなく今後は政府が直接任命・解任できるとしたメディア法の改革もEUを含む各方面からの批判を浴びている。そのため、欧州委員会は史上初めてポーランドの法治国家性を審査する手続きに入った。
共産主義に抵抗した「連帯」のかつての指導者ワレサ元大統領はテレビ局TVN24に対して、「私たちは自由を獲得するためにたいへんな努力をした。しかし今、私たちはその努力を無駄にしようとしている」と語った。ワレサ元大統領は現政権に向けて「すべての人が政府が憲法に違反していることを知っている。にもかかわらず彼らは厚顔にもそうではないと言い放っている」と非難した。
シドゥオ首相は火曜日、ストラスブールの欧州議会で欧州委員会の厳しい批判に抗弁した。首相はすべての措置は憲法とEU条約に則っていると発言した。これについてワレサ元大統領は「私はこれほど厚かましい嘘を聞いたことがない」と述べた。
原題:Demonstrationen in uber 30 polnischen Staedten gegen Regierung