2005年7月27日(水)13:40

トルコ首相:「キプロスの承認は行わない」

ロンドン(ドイツ通信社)

トルコのレチェプ・タイップ・エルドアン首相は、キプロス問題の解決前にトルコがキプロス共和国を承認することはないと強調した。「解決までにこの問題での私たちの姿勢が変わることはないだろう」とエルドアン首相はイギリスのトニー・ブレア首相との会談を終えて語った。

この問題の背景となっているのは、現行のトルコとEUの関税協定をキプロスならびに他の新規加盟9ヶ国に拡大するという附帯条項の調印である。EUはこれを10月3日の加盟交渉開始の条件としている。

トルコはこの文書に近日中に調印する意向であるが、これをもって分断された島の南部のキプロス政府を外交上承認するものではないとのトルコの見解を補足宣言として付ける予定である。ブレア首相はエルドアン首相との会談を終えて、「私はエルドアン首相の前で、拡大文書の調印がキプロスの承認を含むものではないことをあらためて明確に述べた。EUには現在多くの不安定要因があるが、トルコ加盟の展望は、それまでにもちろん相当の時間がかかるだろうが、EUとその安定にとって重要である」、と語った。イギリスはEU内でトルコの加盟を最も積極的に支持している国の一つと見られている。

ブレア首相とエルドアン首相は1時間の会談でテロ撲滅についても協議した。「私たちはテロに対する戦いで協力関係の進展をはからねばならない」。「しかしトルコとの協力はすでにすばらしい水準に達している」。「このようなテロ犯罪を行う野蛮な人々」に対しては、宗教に関わらずあらゆる文明国の国民が一致団結して立ち向かう必要がある、とブレア首相は語った。エルドアン首相は、「テロは無辜の人々の命を奪う。これを阻止するために、私たちは協力しなければならない」と述べた。

キプロス共和国政府はトルコに対して、関税協定拡大の文書に無条件で調印するよう求めた。明確な調印が必要であり、トルコ側から留保があってはならない、とキプロス政府のキユプロス・クリッソストミディス広報官はキプロス放送で語った。「拡大文書の調印は、文書の内容を変更するような宣言を含まない、きれいなものでなくてはならない」と広報官は語った。

原題:Erdogan: Keine Anerkennung Zyperns




ホームへ戻る