2005年7月29日(金)00:39

キプロスはトルコの加盟交渉に拒否権を行使すると警告

ニコシア(AP)

キプロスはトルコ政府がキプロスを他の加盟国とまったく同じ権利を持つ正式なEU加盟国として承認しなかったならば、拒否権を行使してトルコとのEU加盟交渉を阻止する意向である。これはEU議長のトニー・ブレア英首相との協議を終えて帰国したキプロスのタッソス・パパドプロス大統領が、木曜日にニコシアで伝えたもの。

パパドプロス大統領はトルコ政府に対して、EUとの関税協約を一切の制限なしに昨年5月に新規加盟した10ヶ国に拡大するよう求めた。これまでのところトルコ政府は、関税協約の調印がギリシャ系キプロス共和国の承認を意味するものではなく、トルコにギリシャ系キプロスへの協約適用を義務付けるものではない、という立場を取っている。

ブレア首相は水曜日、トルコのレチェプ・タイップ・エルドアン首相との会談を終え、トルコ・EU関税同盟の新規加盟10ヶ国への拡大文書にトルコが調印することは、トルコ政府による国際法上のキプロス承認を意味するものではない。これは「法的に見れば事実である」、と語った。

これに対し、パパドプロス大統領はキプロスがEU正式加盟国として持っている拒否権を行使する意向を表明した。またトルコは協約に調印した後で、適用はしないなどとすぐさま態度を翻すことは許されない、と大統領は警告した。欧州議会の欧州国民党(EVP)のハンスゲルト・ペッテリング代表もパパドプロス大統領を支持し、トルコがキプロスを公式に承認しない限り10月のトルコ政府との加盟交渉は始められない。キプロスを承認しなければ欧州議会の最大会派である欧州国民党はトルコとの加盟交渉開始に強く反対する、とドイツのキリスト教民主同盟(CDU)に所属するペッテリング代表はブリュッセルで発表した声明の中で強調した。

原題:Zypern droht mit Veto gegen Tuerkei-Beitrittsverhandlungen




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