2011年7月5日(火)20:25
ベルリン/パドボルグ(dapd-nrd)
火曜日にデンマークが復活させた国境検査はEUの監視下に置かれる。欧州委員会のセシリア・マルストレーム内務担当委員の広報官は、EU法が「全面的に尊重され」、シェンゲン協定に対する違反がないか、きわめて精密に注視するつもりであると、火曜日ブリュッセルで述べた。これより前、デンマークはフレンスブルク北方のアウトバーン7号線で、デンマークに入国する車輛の抜き打ち検査を開始した。さらに夕方には税関職員が、フォーゲルフルークリーニエ(渡り鳥コース)と呼ばれる国際フェリー航路のデンマーク側の港レドビーで検査を行った。
先週金曜日にはデンマーク議会が、ドイツおよびスウェーデンとの恒久的国境検査の復活に承認を与えている。税関にはさしあたり50人の職員が増員され、そのうち30人はドイツとの国境に配備された。年末にはさらに48人の税関職員の増員が行われる。2014年には新しい国境施設ならびに車輛検査用スキャナーが配備され予定である。
欧州議会はデンマークの措置をあらためて批判した。国境検査の復活は「一回転の後退」であり、総体としての欧州連合の統一を危うくするものであると、欧州議会自由民主党(FDP)のアレクサンダー・アルヴァーロ内務担当広報官は批判した。デンマークはなおシェンゲン圏に留まるつもりなのか、そして長期的にEUの一員として留まるつもりなのかを決定する必要がある、とアルヴァーロ広報官は述べた。欧州議会社会民主党所属のビルギット・ジッペル議員は「誤った時期に誤ったメッセージ」を送るものとデンマークの措置を批判した。
フレンスブルク北方のデンマーク側では、火曜日のお昼過ぎまで9人の税関職員がデンマークに入国する車の検査を行った。デンマーク税関の広報担当はdapdの問い合わせに対して、35台の車が検査されたが麻薬などの押収はなかった、と答えた。
「休暇旅行でデンマークに入るドイツの家族は、検査で引き留められる心配はない」とデンマークのエーリンク・アンデルセン税関所長は語った。デンマークは今回の措置の理由について、国境を越える犯罪を阻止する試みとしている。「私たちは何らEU法に抵触していないと考える」とアンデルセン所長は述べた。しかし今回の措置にはEUからもドイツからも批判の声が上がっている。
ザールラント州出身のヨー・ライネン欧州議員(社会民主党SPD)は欧州司法裁判所の介入を求めた。欧州委員会はデンマークをシェンゲン協定違反の廉でルクセンブルクの欧州司法裁判所に提訴すべきである、とライネン議員は主張した。ドイツ連邦議会のライナー・ブリューデルレFDP議員団長は、新たな国境検査所が欧州の将来の姿になってはならないと強調する一方、デンマークに対するボイコットを呼びかけるのは無意味であると釘を刺した。私はデンマークの議会選挙が終われば「この亡霊」が姿を消すと思う、とブリューデルレ議員団長は語った。
これより前、ヘッセン州のイェルク・ウーヴェ・ハーンEU担当相(FDP)は、国境検査復活を理由にデンマークへの休暇旅行のボイコットを求めていた。「もしデンマークが休暇シーズンに国境検査を復活させたならば、私はその場でくるりとUターンしてオーストリアやポーランドに休暇に行くよう勧める」とハーンEU担当相はビルト紙Bildに語った。一方シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州のヨースト・デ・ヤーガー経済担当相(キリスト教民主同盟CDU)は、そのような要求はポピュリズムであると批判している。
原題:Streit ueber daenische Grenzkontrollen