2011年7月7日(木)
AFP(Claus Fisker)
デンマーク国境での税関検査の復活を受け、欧州議会はシェンゲン協定の空洞化に警鐘を鳴らした。シェンゲン圏内の旅行の自由は「欧州統合の最大の成果」のひとつであり、数多くの人々の生活に良い影響を及ぼしているものである。これはまたすべてのEU市民の基本権でもある、と欧州議会は決議の中で主張した。
EU外部国境に押し寄せる難民の問題は国境検査復活の理由にはならない、と決議は続けている。欧州議員はEU加盟国に対し、とりわけ大きな難民圧力にさらされている国々との一層の連帯を求めた。こうした国々が問題を解決できるように支援しなければならない。加えてEU外部国境の効果的な管理を保障する必要がある、と決議は求めている。
さらに欧州議会はEU加盟国に対して、一層の努力を行い、難民への対応で共通の規則を設けるよう呼びかけた。これは期限どおり来年中に制定されねばならないと議会は求めた。
デンマーク議会の財務委員会は先週金曜日、税関検査の復活に承認を与えた。そして火曜日には検査が開始された。デンマーク政府の説明では、検査の対象は人間ではなく荷物のみであり、国境を越える犯罪や麻薬、武器の密輸を防止するのが目的であるという。デンマーク政府はあらためて、税関検査はシェンゲン圏の規定に則ったものであると主張した。
フランスとイタリアは5月の段階で、シェンゲン圏での一時的な国境検査の実施を容易にするよう主張していた。その理由として両国は北アフリカから地中海経由でイタリアに入国する数多くの難民の存在を挙げていた。フランス政府は難民の多くがそのままフランスに入国することを危惧している。
原題:EU-Parlament warnt vor Aufweichung von Schengen-Abkommen
Parlament missbilligt Kontrollen an Binnen-Grenzen