2012年7月1日(日)

財政危機のキプロスがEU議長国に就任

AFP

ユーロ債務危機のさなか、2004年のEU加盟以来初めてキプロスが欧州連合の議長国に就任した。ユーロ圏は数日前に、5ヶ国目のユーロ加盟国としてキプロスへの財政支援を認める声明を発表したばかりである。同国はこれによりギリシャ、スペイン、ポルトガル、アイルランドとならんで、支援を受ける財政危機国の仲間入りをしたことになる。また、EUの閣僚理事会の議長を務めながら、同時にユーロ救済基金からの支援を受ける最初の国となる。

外交筋によれば、キプロスの銀行には隣国ギリシャの債務危機によりおよそ35億ユーロの債務帳消し額が発生するという。このため、アメリカの三大格付け会社はキプロスの国債を投機水準まで格下げした。

38年前からギリシャ系の南部とトルコ系の北部に分断されているキプロス島は、南のキプロス共和国がEU議長国を務めるだけでなく、トルコのEU加盟をめぐる問題の渦中にもある。1974年にトルコによって占領された北キプロスを国家として承認しているのはトルコだけであり、トルコは南のキプロス共和国とは関係を結んでいない。これまで再統一の試みはことごとく失敗に終わっている。すでにトルコ政府は、キプロスのEU議長国をボイコットすると明言している。キプロス共和国は2004年より欧州連合に加盟している。

原題:Krisenstaat Zypern uebernimmt EU-Ratspraesidentschaft




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