2012年7月6日(金)
デュッセルドルフ(dapd)
5月の州議会選挙の敗北を受け、ノルトライン・ヴェストファーレン州のキリスト教民主同盟(CDU)は新たなテーマを模索している。その一つが明確な欧州統合推進姿勢である。アルミン・ラシェット州代表は金曜日、欧州憲法の仕切り直しを求め、その姿勢を鮮明にした。「このプロセスを今始める必要がある」とラシェット代表はデュッセルドルフで語った。
ヨーロッパ大陸はおそらく「欧州の歴史の転換点」に立っており、その道は一層の政治的統合によってしか開けない。「EUがこれをしてよい、これをしてはならない」という点を憲法で明確に定めるべきである。加えてEU大統領を市民の直接選挙によって選出する必要がある。「私は市民自身がトップに立つ者を決める制度を望む」、とラシェット代表は語った。
ラシェット代表は、憲法によってさまざまの権限もEUレベルに移譲されねばならないという点を問題視していない。市民は誰がどの権限を握っているかではなく、制度が機能しているか否かに関心があるのだ。これには国際犯罪の撲滅などが含まれるが、それを最も効果的に行えるのは欧州全体の警察制度である、とラシェット代表は語った。
すでに10年以上前、EUレベルで憲法制定の試みが始められた。2004年には当時25ヶ国のEU加盟国の首脳が憲法会議の策定した憲法条約に調印した。しかし批准プロセスは、フランスとオランダの国民投票での否決を受けてストップした。
先週のEU首脳会議の決定に関する議論において、ノルトライン・ヴェストファーレン州CDUはアンゲラ・メルケル首相(CDU)を支持している。ラシェット代表は、ドイツが自らの中心的主張を放棄したなどという見方にはとても与することができないと述べた。その一つ、債務の共同負担に対する拒否には依然変わりはないのだ。首脳会議では厳しい交渉が繰り広げられたが、首脳会議の決定は成果である、と同代表は弁護した。
ラシェット代表は、銀行救済に関するEUの決定に数多くの経済学者が異議を唱えたことをあまり重視していない。たしかに「重要な議論提供」と言えるが、ノルトライン・ヴェストファーレン州CDUの姿勢は明確だ。すなわち「私たちには一層の欧州統合が必要である。だがこれは正しく進めねばならない。」
原題:NRW-CDU fordert neuen Anlauf fuer europaeische Verfassung