2014年7月1日(火)14:50
ドイツ通信社dpa
保守系と社会民主系会派間の人事に関する申し合わせの一環として、新選出の欧州議会はドイツ社会民主党(SPD)所属のマルティーン・シュルツ現議長(58歳)を議長に再選した。
シュルツは火曜日ストラスブールで一回目の投票で当選に必要な絶対過半数を獲得した。投票された612票のうち、409票がドイツ出身のシュルツ候補に集まった。
初の再選された議長という大きな名誉を光栄に思う、とシュルツ議長は最初の演説で語った。ジャン・クロード・ユンケル次期欧州委員長とは近いうちに協議し、「早目に欧州委員会と欧州議会の間で共同歩調を取る」つもりだ、と述べた。
シュルツ議長は自身とキリスト教民主系会派の筆頭候補のユンケル氏が「欧州選挙戦で対立候補として戦い、今はパートナーとして協力する」状況を、民主主義の好ましいしるしと評した。
社会民主党所属の野心的なシュルツ候補は当初欧州委員会委員長のポストを目指していたが、人事交渉で自らの要求を貫くことができなかった。ユンケル候補が2週間後に欧州議会の信任を得る状況について、シュルツ議長は「EUの議会制強化に向けた大きな一歩」と評価した。ユンケル候補の欧州議会による承認は7月16日に予定されている。
シュルツ議長の再任は、社会民主系と保守系会派のEU主要人事に関する取引の一部である。221議席で最大会派となったキリスト教民主系会派との取り決めにより、欧州議会の議長ポストは2年半後にキリスト教民主系に移されることになっている。社会民主党の新たな議員団長はジャンニ・ピテラ副団長が務めることになった。イタリア出身のピテラ候補以外に立候補者はいなかった。
保守系の欧州人民党(EPP)と社会民主系会派(S&D)は合わせれば751議席中412議席の安定多数を占める。これまでの任期同様、今後の5年間もこの大連立が議事の決定を取り仕切るものと予想される。
欧州議会の緑の党は象徴的にシュルツ候補の対立候補としてウルリーケ・ルナチェク氏を立て、キリスト教民主系と社会民主系会派の人事協定に抵抗する姿勢を見せた。
原題:Schulz als EU-Parlamentspraesident wiedergewaehlt