2016年7月5日(火)

ハンガリーは10月2日にEU難民政策の是非を問う国民投票を実施

AFP

ハンガリーは10月2日にEU内の難民配分の是非を問う国民投票を実施する。これはヤーノシュ・アーデル大統領が火曜日にブダペストで発表したもの。ヴィクトル・オルバン首相率いる右翼保守派政権はEUの決定した全EU加盟国への難民配分を拒否し、今年2月に国民投票の実施を発表していた。

ドイツのアンゲラ・メルケル首相(キリスト教民主同盟CDU)は、オルバン首相の政策が国民投票で承認されると予測している。EUは16万人の難民を主要到着国のイタリアとギリシャから他の加盟国に割り当てようと考えている。すでに1年前、ハンガリー政府は4万人の難民を加盟国の自発的意思に基づいて配分するという計画を拒否している。その後9月にEU内相会合は12万人の難民申請者の義務的分担をハンガリー、チェコ、スロヴァキア、ルーマニアの反対を押し切り決定している。

ハンガリーはこの分担計画によれば約2,300人の難民を受け入れることになる。しかしハンガリー政府はこの計画を断固拒否している。ハンガリーは12月、スロヴァキアに続いて欧州司法裁判所に訴訟を起こしている。今年2月にオルバン首相は国民投票の実施を発表した。

ハンガリー政府はこの分担規定により国の主権が侵害されると考えている。欧州委員会であれ他のEUの機関であれ、難民受け入れにより「欧州の文化的・宗教的アイデンティティーを新たに規定しなおす」権利はない。EUは「諸国民の背後で、諸国民の意思に反して」「彼らおよび後の世代の生活を変える」決定を下すことは許されない、とオルバン首相は2月に声明を出した。

10月2日の国民投票ではハンガリー国民に以下の質問が提示される。「あなたは欧州連合がハンガリー議会の承認なしに非ハンガリー国民をハンガリーに義務的に移住させる措置を望みますか?」国民投票が成立するためには最低50パーセントの投票率が必要となる。

オルバン政権はすでに4月、国民投票で「反対」するよう求めるキャンペーンを開始している。とりわけ、難民に混じって「テロリスト」がハンガリーに入国する可能性を指摘している。野党の社会党は火曜日、英国のEU離脱国民投票後同様のEU脱退を目指して有権者に「真っ赤な嘘」をついているとオルバン首相を批判した。

ドイツのメルケル首相(CDU)は、すでに今の時点で国民投票の行方は明らかであると述べた。国民に向けられた問いは「今の政府の政策に対する答えとなるように」作られている。それゆえ「国民投票で現在の状況が変わるとは思えない」と首相はベルリンで語った。

オルバン首相は難民政策で数か月前から欧州委員会との間で争いを続けている。昨年ハンガリー経由で中部ヨーロッパに渡った難民は約44万人にのぼる。難民の入国を阻止するため、オルバン首相は欧州委員会の反対にもかかわらず、まずセルビアとの国境に175キロメートルの鉄条網を築いて国境を封鎖した。その後、難民が隣のEU加盟国クロアチア経由で入国すると、そこにも長さ41キロメートルの柵を築いた。

側面援護する形でハンガリー議会も不法入国に対し数年間の拘留刑を科すことを決め、難民に対してゴム弾のような非殺傷武器を使用することを軍隊に許可した。オルバン首相はほどなく、ハンガリーはもはや難民の「ルートではない」と宣言した。

この間、難民のEU内分担受け入れが始まったが、スピードは極めて遅く、あまり進んでいない。7月1日までに移動が完了した難民は2,800人弱にとどまり、789人はイタリア、1,994人はギリシャからの移動であった。ハンガリーはこれまで一人の難民も受け入れていない。

原題: Referendum ueber EU-Fluechtlingspolitik am 2. Oktober in Ungarn




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