2000年7月2日(日)10:25

フェアホイゲン:「EU拡大をあまり長く引き延ばしてはならない」

ベルリン(ロイター)

 EUの拡大担当委員ギュンター・フェアホイゲンは中・東欧諸国のEU加盟を遠い将来に引き延ばすことに対して反対の意向を表明した。これらの国々は十年以上も前から社会の根本的な変革を行っている最中である、とフェアホイゲンは日曜日に「ドイチュラントフンク」(ドイツ放送)で述べた。「そしていつか人々はこの変革がどのような成果を生むのかを確かめたく思っている。」欧州連合(EU)への受け入れを先へ先へと引き延ばすことは、これらの国々において新たに反ヨーロッパ的勢力の伸長を招くことになる、とフェアホイゲンは語った。

 EUは2年前にポーランド、チェコ、スロヴェニア、エストニア、キプロスおよびハンガリーと加盟交渉を開始している。今年の初めには第二陣のルーマニア、ブルガリア、ラトビア、リトアニア、マルタおよびスロヴァキアとの交渉が開始された。

 フェアホイゲンは、EUが拡大の件を加盟候補国に今後7年から10年も期待させるだけに留めておいて、「その後候補国の生活水準が高くなれば、EUは実質それほど負担しなくても済む」などと考えているなら大きな誤りである、と述べた。しかし、それぞれの候補国について具体的な加盟期日を明言することはできないし、今年はこれからもできないであろう。加盟期日を約束した瞬間、候補国が加盟準備を止めてしまうという危険が大きい。多くの国ではまだ困難な改革が残っており、これらの改革はEU適合という圧力がなければ実現できないのである、と語った。

 先月フェアホイゲンは、欧州委員会は2005年の任期までに最初の加盟を実現させる、と強調した。外交筋の伝えるところによれば、EUと候補国との拡大交渉は目下遅々たる進捗状況であるという。EU筋では、早急に交渉の進展スピードが速まらない限り、おそらく交渉の終結は3年から4年後のこととなろう、さらに拡大をそれぞれの国の議会で批准するために1年から2年かかることになるだろう、そうなれば最初の加盟は2006年にずれ込むかもしれない、という見方が出ている。

 フェアホイゲンはラジオのインタビューに答えて、EUの機構改革を引き延ばすことは許されない、とも述べた。この問題では、拡大をめぐる議論に加えて、国ごとの票の再配分と欧州委員会の規模が議論の焦点となっている。フランスは昨日土曜日にポルトガルの後をうけて半年任期の議長国に就任した。

原題:Verheugen: EU-Erweiterung nicht zu lange hinauszoegern