2002年6月5日(水)15:28

フェアホイゲン拡大委員はEU拡大が遅延せぬよう警告

ブリュッセル(AP)

ヨーロッパにおける極右大衆迎合主義の勢力拡大を踏まえ、拡大担当のギュンター・フェアホイゲン欧州委員は2004年に計画されている10ヶ国のEU加盟が遅延することのないよう警告した。「『我々は拡大を慎重に進める必要がある』などと主張するのは、誤った結論である」。むしろ大衆迎合主義の伸長に対する最良の答えは、「欧州統合こそ諸問題解決への最高の寄与」なのである、と同委員は水曜日ブリュッセルで述べた。

しかし私は、EU現加盟国の国民がEU拡大に関し充分な情報を得ていないことを懸念しつつ認めざるを得ない、とドイツ人で社会民主党所属のフェアホイゲン委員は続けた。「市民は拡大を敵視してはいないものの、事情を分かっていない」。それゆえあらゆる政治的機関には広報の努力が求められている。欧州委員会はすでに応分の貢献を行っている、と同委員は述べ、近々始まるブリュッセルの欧州委員会の2億5000万ユーロにのぼる情報キャンペーンに言及した。

5月下旬に行われた拡大に関する最新の世論調査では、調査を行った15,926名のEU市民のうち、この問題について「充分な」情報を得ていると答えたのはわずか1パーセントにとどまった。これに対し83パーセントは情報が不足していると答えた。加盟交渉は10ヶ国の候補国との間で今年の末には完了する予定である。しかる後、これらの候補国、ポーランド、ハンガリー、チェコ、スロヴァキア、エストニア、ラトヴィア、リトアニア、スロヴェニア、マルタ、キプロスは2004年に加盟を果たすことになる。

現在の交渉の進捗状況についてフェアホイゲン委員は満足の意を表明した。水曜日に欧州委員会が承認した中間報告によれば、「なお一連の分野でさらなる努力が必要ではあるが、候補諸国は合意したタイムスケジュールに添ってこれまでに大半の責務を果たしている」。不充分なのはとりわけ行政と司法の分野である、という。それゆえ欧州委員会は各加盟候補国に対して行動計画を課し、この計画の促進のため、今年度で最高2億5000万ユーロを組んでいる。この目的のために欧州委員会は全体で2002年におよそ10億ユーロを計上している。

原題:Verheugen warnt vor Verzoegerung der EU-Erweiterung




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