2002年6月9日(日)15:12

ポーランドは2006年にもユーロ導入を望む

ミュンヒェン(AP)

ドイツ連邦銀行のエルンスト・ヴェルテケ総裁とフランス国立銀行のジャン・クロード・トリシェ総裁は、東欧のユーロ加盟候補諸国に対してマーストリヒト基準の厳密な達成を求めた。トリシェ総裁は土曜日ミュンヘンでの経済会議の席で、加盟候補国のさらなる適応促進のために「待合室」を提唱した。これに対してポーランド国立銀行のレシェク・バルチェロヴィチ総裁は、ポーランドは「できるだけ早く」ユーロを導入する意向であると述べた。

バルチェロヴィチ総裁は、ポーランドは2004年にEU加盟国になれば、2006年には欧州通貨連合に加盟できる。基準を達成した国は同等の扱いを受ける権利がある。ポーランドはなお構造改革が必要であり、財政赤字も大きすぎる。しかしすでにインフレと国家債務はたとえばスペインのEU加盟前よりも低くなっている、と語った。

トリシェ総裁は、各国の国立銀行の独立性は「絶対的な必須の要件」である。ユーロ導入の条件には、物価、金利水準、国家財政および為替相場の永続的な接近も含まれる。為替相場はいったん固定されれば変更できないので、一種の待合室を設けてその時間をさらなる適応のために用いる方法が有意義である。必要なのは完成した市場経済と良好に機能する銀行システムである、と語った。

ヴェルテケ総裁もユーロ加盟前にすべてのマーストリヒト基準の厳密な達成を勧告した。「候補国の特殊事情による例外は認められない。我々は決して先例を設けてはならないのである」。しかし、スロヴェニアやキプロスなどの国は、経済的に最も弱いEU加盟国をある部分ではすでに追い越している、と語った。

トリシェ総裁とヴェルテケ総裁は、EUおよびユーロ圏の拡大は現加盟国においても大きな経済発展のチャンスとなる。すでに貿易や投資はここ数年で大きく伸びている、と強調した。

ヒュポフェラインスバンク銀行のアルブレヒト・シュミット頭取は、新規EU加盟国の欧州通貨同盟への早期加盟が有益であるとは考えられないと述べ、インフレの危険性を根拠に挙げた。

ルーアン大学のポール・ド・グローヴ教授は、拡大後のユーロ加盟国の経済状況には大きな相違が生じるので、高い金利を求める国と低い金利を求める国が出ることになる。利害の対立により、欧州中央銀行の決定プロセスの改革が必要になる。さもなくば欧州中央銀行は小国の連合に支配されることになる、と語った。2003年に欧州中央銀行の総裁に就任することが予想されているトリシェ総裁とヴェルテケ総裁は、各国の国立銀行総裁は欧州中央銀行の一員として自国の利益を代弁するだけでなく、共通の通貨圏の繁栄も目指さねばならない、と語った。

原題:Polen will Euro schon 2006 - Wochenendzusammenfassung




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