2002年6月18日(火)21:03
ブレスラウ〔ヴロツワフ〕(ロイター)
農業補助金をめぐる論争で、ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相(社会民主党)はEU加盟国に対して加盟候補国のために補助金を断念するよう求めた。
「新たなメンバーが加われば、補助金を要求する権利も認められる。すでに加盟している国はある程度の額を譲る必要がある」とシュレーダー首相は火曜日、ブレスラウで開かれたドイツ・ポーランドの政府協議の席で述べた。しかし首相の見込みによれば、直接補助金の問題で加盟交渉が遅延する事態にはならないという。私は農業項目を含む加盟交渉が今年末までに終わるものと確信している、と首相は述べた。
「妥協を見出す必要がある」とシュレーダー首相は補助金にとりわけ大きな恩恵を受けているフランスやスペインを念頭に置いて語った。両国は最大で10ヶ国の新規加盟後も補助金を断念する意思を見せていない。そのため、欧州連合(EU)の最大の実質負担国であるドイツは約20億ユーロの超過負担を引き受けることになるのではと危惧している。
しかしシュレーダー首相は新規加盟国にも同等の権利が認められねばならないと主張し、「義務を引き受ける国は権利も手にしなければならない」と述べた。ポーランドのレシェク・ミレル首相も同様の発言を行った。「ポーランド農業にも同じチャンスが与えられねばならない」。これは直接補助金についても該当する。加えて、この問題によって加盟交渉が遅れることがあってはならない。またポーランドが加盟直後から実質負担国になることはできない、とミレル首相は語った。この点に関してシュレーダー首相もミレル首相を支持し、国内総生産がEU平均以下のポーランドのような国が実質負担国になることは許されないと主張した。
シュレーダー首相は、増えつづけるEU農業予算をドイツの国民に納得させることはできないとあらためて表明した。現在EUの予算のおよそ三分の一は農業に当てられている。加えて首相の理解では、直接補助金の継続については合意もないという。だがフランスとスペインは異なる見解を持っている。シュレーダー首相は、農業システムは全体として改革が必要であると強調した。
シュレーダー首相は具体的な提案を行おうとせず、欧州委員会が来月この問題について意見を表明することを指摘するに留めた。そこでは直接補助金の段階的解決案が協議されるものと予測されている。しかしこの案についてはすでにドイツも加盟候補国も懐疑的な見解を表明している。
原題:Schroeder fordert Verzicht von EU-Laendern bei Agrarhilfen