2002年6月24日(月)13:17
AFP(フランクフルト/ ブリュッセル)
欧州委員会はEUの農業政策を抜本的に改革する模様である。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙は、欧州委員会は7月に改革案を発表するとの農業担当のフランツ・フィシュラー欧州委員の発言を伝えている。農家に対する直接補助金は、作物の種類と量に無関係の一括補助金へと段階的に切り換えられることになる。また農家が補助金の支給を受けられるのは、厳しい環境保護および動物保護基準を満たした場合に限られることになるという。
これまでEUは年間およそ300億ユーロの直接補助金を農家に支給している。将来は欧州委員会が歴史的な調査期間に基づいて一括補助金の額を算定する意向である。その際には農場の規模や従事者の数が考慮の対象となる。大規模農家への補助金は年間30万ユーロ程度に切り詰められる予定である。直接補助金の問題ではEU拡大をにらんでドイツ政府とフランス政府の間で論争が起きていた。
追加的にEUは従事者2名までに対し5,000ユーロ、それを越える人数については1名につき3,000ユーロの非課税補助金を支給する意向である。これにより東ドイツの大規模農場への影響が著しく和らげられる、と同紙は報じている。
将来削減により節約された金額については加盟国が「柔軟に」使途を決定でき、その額を留め置くこともできる、と『フランクフルター・アルゲマイネ』紙はフランツ・フィシュラー農業委員の発言を引用している。同紙によれば、完全に打ち切られるのは備蓄農作物への補助金、国家によるライ麦の買い支え、ならびに地中海の伝統的な栽培地域以外でのマカロニ麦の栽培に対する特別補助金であるという。
欧州委員会は7月10日に農業政策の改革案を発表する意向である。1999年にベルリンで2006年までのEU財政を決定した際、すでにEU各国首脳は農業政策の半期決算報告を2002年に行うと取り決めている。とりわけドイツは、2004年にEU加盟が見込まれる国々の農家に対する補助金について、農業改革の前に決定することに慎重な姿勢を示している。
原題:EU-Agrarhilfen sollen angeblich reformiert werden