2002年6月28日(金)16:29

EUは加盟候補国と農業交渉を開始

ブリュッセル(ロイター)

欧州連合(EU)は金曜日、10の加盟候補国との間で懸案の農業政策に関する協議を開始した。

「すべての観点について私たちが協議に加われるわけではないにせよ、農業項目を討議する機会が得られたことを歓迎する」。私は他の国の交渉官とともに農業生産物、とりわけ牛乳と砂糖の生産量の分野に集中的に関わるつもりである、とスロヴァキアのヤン・フィゲル主席交渉官は述べた。この発言でフィゲル交渉官はドイツのゲルハルト・シュレーダー首相が指摘した問題に言及した。シュレーダー首相は従来の農業補助金を10の新規加盟国にも拡大すれば農業予算が破綻してしまうと指摘している。すでに現在、農業支出はEU予算全体のほぼ50%を占めており、ドイツはEUの主要支払い国となっている。

ドイツでは9月に選挙が控えているため、観測筋は秋までは農業交渉の進展は見込めないと予測している。しかしEUは来週月曜日に議長国を引き継ぐデンマークのもとで、あくまでも協議を今年末までに終える意向である。だがフィゲル交渉官は、EU内で議論が分かれている状況からして農業項目の交渉を完了するには今年末では時間が足りないとの懸念を示している。

加盟協議の対象となる分野はおよそ30項目にわたる。すでに数ヶ国との間では22項目から28項目について交渉が終わっている。目標は2004年にポーランド、チェコ、ハンガリー、スロヴァキア、スロヴェニア、エストニア、ラトヴィア、リトアニア、キプロス、マルタがEU加盟を果たすことである。

欧州委員会のフランツ・フィシュラー農業担当委員は7月10日に農業政策改革の提案を発表する意向である。同委員は生産高に応じた従来の補助金システムを改め、農家に対して一括補助金を支給する意向である。これにより生産者には市場に応じて生産し、過剰生産を避けることが奨励される。

原題:EU nimmt Agrarverhandlungen mit Beitrittskandidaten auf




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