2003年6月9日(月)13:10

ポーランドはEU加盟に道を開く

ワルシャワ(AP)

ポーランドはEU加盟に明確な賛意を示し、数十年間強いられてきた欧州分断を最終的に克服した。週末の国民投票では、すべての票の集計の結果、ポーランドの欧州連合加盟に賛成するものは77,5%にのぼった。必要とされた50%の最低投票率も達成された。最終予測では約3000万人の有権者のうち投票率は59%になるものと見られている。ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相はポーランドの歴史的な決断に祝意を表した。

ポーランドのアレクサンデル・クファシニェフスキ大統領は日曜日20:00時の投票所の閉鎖直前、ワルシャワの大統領宮殿前に集まった群衆の歓呼に答え、ポーランドは欧州連合に対して賛意を表したのだ。「私たちはヨーロッパに戻るのだ」、と述べた。多くのワルシャワ市民が街頭に繰り出し、ポーランドとEUの旗を振って祝った。全国で花火が上がり、楽団の演奏が行われた。

レシェク・ミレル首相は開票結果の発表を受けて安堵の表情を見せた。「私たちはポーランド国民であり、ヨーロッパ市民なのだ」と首相は述べた。「連帯」の創設者であるレフ・ワレサ元大統領は「祝おうではないか。私たちは成功をおさめたのだ」と呼びかけた。

ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相はこの国民投票の結果を歓迎する声明を出した。「ポーランドが欧州に属することは、一度たりとも疑問視されなかった」と首相は日曜日の晩に発表された声明の中で強調した。首相は「極めて良好なドイツ・ポーランド関係がポーランドの欧州連合加盟によって新たな推進力」を得るものと確信していると表明した。

土曜日はわずか18%の投票率と出足が鈍かったものの、政治家をはじめ、司祭も精霊降臨祭のミサで投票に行くようにと国民に呼びかけた。欧州統合事務局は携帯電話の保有者にSMS(ショート・メッセージング・サービス)を使って、投票所が20:00に閉鎖されることを知らせた。日曜日のミサでは多くの聖職者が、ヨハネ・パウロ二世も国民に呼びかけたEU加盟の意義を説いた。

加盟支持者はとりわけその歴史的意義とEU加盟の経済的利益を強調した。国内総生産がEU平均の42%に過ぎないポーランドは、来年以降の3年間だけでもおよそ200億ユーロの支援をEUから受ける。一方でポーランド政府はこの間65億ユーロをEUに拠出せねばならない。

EU加盟によってポーランド国民にはEUのどの国でも暮らし、働く可能性が開かれる。しかしドイツをはじめほとんどのEU加盟国は自国の労働市場開放まで7年間の移行期間を設けている。

人口3800万のポーランドは2004年5月にEUに新規加盟する10ヶ国の中では最大の国である。マルタ、スロヴェニア、スロヴァキア、ハンガリー、リトアニアの5ヶ国ではすでに国民投票が行われ、加盟が承認されている。チェコでは6月13日と14日の両日、またエストニアとラトヴィアでは9月に国民投票が予定されている。キプロスは国民投票を実施せず、国会の議決のみで加盟を決定する。

原題:Polen machen Weg fuer EU-Beitritt frei




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