2004年6月9日(水)18:00
アンカラ/ベルリン(AP)
トルコは水曜日、初のクルド語番組の放送とクルド政治家の釈放により、さらなる改革政策を実行に移した。釈放される政治家の中には10年間勾留されていた著名な公民権運動家のライラ・ザナも含まれている。ドイツ外務省はトルコの「民主主義と法治体制にとって良い日となった」と評した。少数民族のクルド人の権利拡大は、トルコの目指す欧州連合加盟の前提条件の一つである。
この改革政策はわずか数年前までは考えられなかった。だが今日の午前、最も広く用いられているクルド方言のキュルマンジ語Kuermandschiによる30分間の番組がラジオ放送局TRTで放送された。金曜日には第二のクルド方言ササ語Sasaの番組が放送される予定である。またテレビではクルド語のニュースがトルコ語の字幕付きで放映された。
「これが夢でなく現実だとはとても信じられない」とクルド人の作家セイフムス・ディケンSeyhmus Dikenは民間テレビ局CNN-Turkに語った。しかし他のクルド人は番組が短すぎると不平をこぼした。
このほかに今では少数言語のボスニア語、アラビア語、チェルケス語による放送もある。トルコ議会はすでに2002年にこれらの言語による放送を承認している。クルド語の使用はトルコでは1991年まで禁止されていた。
加えて控訴審裁判所はザナを含む4人のクルド政治家の釈放を命じた、とアナドル通信社は伝えている。「これはトルコの法律の勝利であり、真の転換点になる」とユスフ・アラタス弁護士はCNN-Turkに語った。同弁護士によれば4人は水曜日中にも釈放されるという。
4人の政治家はクルド労働者党(PKK)と関係を持ったとして、10年前国家保安裁判所から15年の勾留刑を受けた。しかし今回この判決は手続きに誤りがあったとして破棄された。新たな公判は7月8日に予定されている。
PKKは1980年代と90年代を中心に、トルコ南東のクルド人居住地域の独立を求めて闘った。この闘いで37,000人が命を落とした。水曜日にはトルコの兵士がアディヤマン県Adiyamanで3人の暴徒を射殺する事件も起きている。
ベルリンのドイツ外務省のヴァルター・リントナー広報官は質問に答える形で、小数言語による放送や政治家の釈放はトルコのEUへの接近およびトルコ政府の進める改革の実現に向けた重要な寄与であると語った。緑の党のクラウディア・ロート議員は、元議員の釈放は緑の党の見解では国家保安裁判所廃止の論理的実現であると述べた。同党のアンゲーリカ・ベーア党首は、これでようやくサハロフ賞を受賞したザナがこの賞を自ら受け取ることができると語った。
原題:Tuerkischer Rundfunk strahlte erstmals Sendung auf Kurdisch aus