2005年6月29日(水)15:32

EUはトルコとの加盟交渉の方針を決定

ブリュッセル(AP)

EUに対する信頼が低下している状況にも関わらず、欧州委員会は10月3日にトルコとの加盟交渉を開始する意向である。25名の欧州委員は水曜日ブリュッセルで、数時間にも及ぶ一部白熱した議論の末、交渉の大枠に合意した。「交渉の目標は加盟である」とオリ・レーン拡大担当委員は述べた。「しかしこれは自動的プロセスなどではない。」

EU加盟25ヶ国は交渉の大枠を全会一致で可決する必要がある。欧州委員会は可決を想定している。なぜなら昨年12月のEU首脳会議で2005年10月3日の交渉開始が決定されたからである。6月中旬に開かれた首脳会議ではこの結論があらためて確認された。ドイツの野党キリスト教民主同盟・社会同盟(CDU/CSU)はトルコのEU加盟に反対しており、代案として特権的パートナーシップを主張しているが、加盟交渉開始の決定がEUの決定として有効性を持つことは認めざるを得なかった。

交渉開始の条件に変更はなく、引き続き人権および法治国家の遵守に向けた6つの改革法案を10月3日までに実行に移すことがトルコに求められる。レーン拡大委員は、立法手続きが6月1日に開始されたと説明した。加えてトルコは交渉開始までにEU加盟国のキプロスを承認しなければならない。承認は、現行のトルコ・EU関税同盟を新規加盟10ヶ国に拡大する文書にトルコ政府が調印する形で行うことが予定されている。

レーン拡大担当委員は「きわめて活発で実質的な政治論議」が委員会で交わされたと語り、当初昼に予定していた同委員の記者会見がおよそ2時間半も遅れた理由を説明した。欧州委員会のジョゼ・マニュエル・バローゾ委員長は先週、トルコEU加盟について率直な議論を行うよう勧告していた。ベニータ・フェレロヴァルトナー外交担当委員は、将来の拡大ラウンドに関して小休止を入れるよう主張した。

こうした姿勢の背景には、フランスとオランダの国民投票でのEU憲法否決がある。有権者の多くはEU拡大、とりわけトルコのEU加盟に対する不安からEU憲法に反対票を投じた。この不安に対処するため、欧州委員会は水曜日、加盟国の市民社会と加盟候補国であるトルコ、クロアチアとの間で対話を開始するよう勧告した。「私たちは一層市民の声に耳を傾ける必要がある」とレーン拡大担当委員は述べた。

またレーン拡大担当委員は、欧州委員会はトルコ加盟問題で「今までで最も厳しい」交渉枠を決定したと強調した。「私たちはこれまでの拡大ラウンドから学んだ」。「これからは言葉より行動を重視する」、と委員は語った。交渉は35分野に及び、EUの全立法も含まれる。

レーン拡大担当委員は、トルコの改革プロセスが失速したり中断したりすれば、加盟交渉はいつでも中断できると指摘した。交渉中断は欧州委員会もしくは加盟国の三分の一の提案で決められる。これを受けて欧州理事会はトルコ政府に対する聴聞を行った上で三分の二の多数決で中断を決定する。

いずれにせよ交渉は最低10年は続くと予想されている。クロアチアとの加盟交渉の開始期日はまだ決まっていない。これは同国が、旧ユーゴの戦争犯罪を裁くハーグ国連戦犯法廷と依然全面的な協力を行っていないためである。

原題:EU stellt Weichen fuer Beitrittsgespraeche mit Tuerkei




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