2006年6月12日(月)22:35
ルクセンブルク(AFP)
EUはトルコとの正式な加盟交渉を開始する。キプロスの圧力を受けて、EU各国外相はEU共通の関税同盟をキプロスに適用していないとしてトルコに対し警告を発した。見返りにキプロスは、この日の晩予定されていた最初の交渉ラウンドの開始に対する拒絶姿勢を取り下げた。ドイツのフランクヴァルター・シュタインマイヤー外相(社会民主党)は、今回の合意は関税協定をめぐるトルコ政府との対立を「解決」するものではないと述べた。合意の後、トルコのアブドラ・ギュル外相はルクセンブルクに向かった。
ギュル外相はルクセンブルクへの出発前、公式の加盟交渉開始を「転換点」と評した。外相はトルコが改革路線を継続すると約束した。
議長を務めたオーストリアのウルズラ・プラスニク外相は、トルコに対しEU加盟交渉の見解に付加的文言を盛り込むとの提案を行い、トルコが承認しようとしないEU加盟国キプロスの懸念を払拭することに成功した。加盟全25ヶ国の外相が採択した宣言では、もしトルコが関税同盟の協定を完全に履行しないならば、全体として加盟交渉の成功に悪影響が及ぶとトルコ政府に警告を発している。
これを受けてキプロスのゲオルゲ・イアコヴォウ外相も、最初の項目の加盟交渉を開始し、暫定的に完了することに合意した。全35項目の最初の項目は学問と研究であり、これは実質的には問題がないと見られている。
トルコは昨年、関税同盟をキプロスを含む新規加盟10ヶ国に拡大する議定書に調印している。しかし一方でトルコ政府は、これはキプロス共和国の承認を意味するものではないと宣言している。そのため、これまでトルコの港や空港はEU加盟国のキプロスからの船舶や飛行機に対して閉ざされていた。しかしこれは共通の関税同盟の規定に違反する。
「出席者は全員今年末までには解決が必要だとの認識で一致した」。もし関税同盟の附帯条項を批准せず、トルコの港や空港をキプロスの貨物に開放しないのならば、「これに関する交渉条項はキャンセルしなくてはならない」、とシュタインマイヤー外相は述べた。
原題:EU nimmt Beitrittsverhandlungen mit der Tuerkei auf