2012年6月14日(木)22:28
ブリュッセル(dapd)
自らの親EU路線に対するEU側の疑念を払拭するために、セルビアのトミスラフ・ニコリッチ新大統領はEU加盟への意思をあらためて強調した。「私たちは今年末までにEUから加盟交渉に対する承認を得るべく、あらゆる手を尽くすつもりだ」と大統領は木曜日、訪問先のブリュッセルで語った。EUのトップはこの会談で、これまでの民族主義的姿勢を和らげ、セルビアのEU加盟の可能性を失わぬよう、ニコリッチ大統領に強く要求した。
「セルビアには欧州連合への加盟以上に良い未来はありえない」とニコリッチ大統領はキャサリン・アシュトンEU外交上級代表との会談を終えて語った。大統領は1日間の訪問で欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長やヘルマン・ファンロンパイ常任議長とも会談した。
バローゾ委員長は、私はニコリッチ大統領が今後も隣国との「協力と和解に向けて」尽力するものと確信する、セルビアのEUへの道はとりわけ2008年に独立したコソボとの関係正常化にかかっている、と述べた。セルビアはコソボの分離独立を認めていない。ファンロンパイ常任議長はニコリッチ大統領に必須の改革の実施を勧告した。主要課題には司法改革、汚職や組織犯罪の撲滅ならびに報道の自由と少数民族保護の改善があるという。
ニコリッチ新大統領は今週月曜日にセルビア大統領としての宣誓を行った。しかし1990年代のユーゴ内戦に関するニコリッチ大統領の問題発言により、スロヴェニア、マケドニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナの大統領は就任式典への出席を断った。民族主義者のニコリッチ大統領は、およそ8000人のボスニア系セルビア人が殺害されたスレブレニッツァの虐殺について集団虐殺ではないと述べ、またクロアチアの町ヴコヴァルは本来セルビア領であると発言したばかりである。
原題:Serbiens Praesident bekraeftigt Willen zu EU-Beitritt