2014年6月8日(日)12:01
AFP
新たに欧州人民党(EPP)の議員団長に選出されたマンフレート・ヴェーバー(キリスト教社会同盟CSU)は、EU政策に対するイギリス政府の主要な要求を拒絶した。「EUは欧州諸国民が連合を密に進めていくことを意図しており、これは条約にも記されている」とフランクフルター・アルゲマイネ日曜版Frankfurter Allgemeine Sonntagszeitungに述べた。「これは私たちにとっては取引の対象とはならない。私たちはEUの魂を売り渡すことはできない」。しかし共生のあり方は正しく構成する必要がある、とヴェーバー議員団長は付け加えた。
イギリスのデイヴィッド・キャメロン首相は、統合を進めるという目標を条約から削除するよう求めていた。ヴェーバー議員団長は、各国の議会にEUの法律を阻止できる権限を認めるべきというキャメロン首相の考えも否定した。「もし個々の加盟国の議会に拒否権を認めれば、EUは事実上停滞してしまう。」
加盟国に権限を戻すべきとのキャメロン首相の希望についてはヴェーバー議員団長は控え目な発言に留めた。キャメロン首相が権限を取り戻したいと言うのであれば「具体的にどの権限かを挙げるべきである」。
新たな欧州委員長の選任をめぐる問題では、EPP議員団は「完全に」保守系会派のジャン・クロード・ユンケル筆頭候補を支持しているとヴェーバー議員団長は述べた。「私たちは筆頭候補を立てて有権者に約束したことを守らねばならない。すなわち彼が次の欧州委員長になるという約束だ。」
報道によれば、キャメロン首相はユンケル首相が次期欧州委員長に任命された場合、英国がEUを脱退すると述べて警告したという。「英国がEUを脱退することになれば、双方にとって損害は大きなものとなるだろう。私たちはそれを望んでいない」とヴェーバー議員団長は述べた。「しかしEUの方がイギリス自身よりも脱退の影響を克服しやすいだろう」と付け加えた。
目下ドイツのアンゲラ・メルケル首相(キリスト教民主同盟CDU)とヘルマン・ファンロンパイEU常任議長(EU大統領)は、内容的な譲歩を行ってユンケル候補の人事計画に対するキャメロン首相の支持を得ようと努力している。ユンケル候補の欧州委員長任命を巡っては欧州議会選挙後から厳しい論争が繰り広げられている。次期欧州委員長はEU加盟28ヶ国の首脳会議で特定多数の承認を経て提案され、欧州議会で承認される運びとなる。
報道によれば、アンドリュー・ランスレーAndrew Lansleyが今年11月から新たな欧州委員に任命されるという。これはEU情報筋からの情報としてヴェルト日曜版Welt am Sonntagが伝えたもので、キャメロン首相は57歳のランスレー氏を英国の代表としてブリュッセルの欧州委員会に送り込む意向であるという。EU筋はランスレー氏がEUに対して実務的な路線をとるのではないかと見ている。
ランスレー氏は現在、下院担当大臣を務めており、その前は保健相を務めていた。キャメロン首相の腹心として知られ、20年以上の知己であるという。1990年代には保守党の幹部養成所であるコンサーヴァティヴ・リサーチ・ディパートメントConservative Research Departmentでキャメロン氏の上司であった。
原題:EVP-Fraktionschef weist Forderungen Camerons zurueck
Weber: Fraktion stellt "voll" hinter Juncker