2016年6月16日(木)
AFP
法治国家原則の遵守をめぐる議論で、欧州評議会の人権担当委員はポーランド政府を厳しく批判した。憲法裁判所とメディアへの監督強化を目的とした新法は「人権を脅かし、法治国家制度を掘り崩す」。それゆえポーランド議会と右翼保守派政権は「緊急に路線を変更」すべきである、とニルス・ムイズニェクス人権担当委員Nils Muiznieksは水曜日ワルシャワで、報告書の発表に当たって述べた。
ポーランドは、与党「法と正義」PiSが多数を占める議会が昨年12月に憲法裁判所の著しい弱体化を図る司法改革を可決して以来、政治危機のさなかにある。司法改革ならびに政府が公共放送の監督権を握るメディア法の改革を理由に、EUは今年1月ポーランドの法治国家性を審査する手続きを開始した。
ムイズニェクス委員は、メディア法改革によりポーランド政府はメディアの自由に関する欧州評議会の基準に違反していると述べた。委員はさらにポーランドの堕胎条項の厳格化に警告を与え、インターネット監視の拡大を批判した。警察と秘密警察に大量のビッグデータへの永続的なアクセスを認める新たな警察法も「深刻な懸念」を呼び起こすと指摘した。委員はとりわけ「悪用を防ぐ」監督メカニズムが欠如していることを批判した。
ポーランド政府は、ラトヴィア出身のムイズニェクス委員が2月にポーランドを訪問してまとめた報告書を「一方的」として退け、この報告書は「深みも分析も」欠いていると批判した。
原題:Europarat kritisiert polnische Regierung im Streit um Rechtsstaat