2016年6月28日（火）12：36
AFP
英国のEU離脱国民投票の結果を受けて、欧州委員会のジャン・クロード・ユンケル委員長はイギリス政府に対し、離脱手続きの速やかな開始を求めた。「イギリス人はEU脱退の意向を示しており、それに従って行動すべきである」と委員長は火曜日欧州議会で述べた。だが正式な離脱の申請を行う代わりに英国のデイヴィッド・キャメロン首相と与党保守党は鬼ごっこをしている。しかしEUは「不透明な局面を長く続けるわけにはいかない」、とユンケル委員長は語った。
英国は先週木曜日の国民投票で意外にも52パーセント弱の賛成でEUからの離脱を決定した。しかしキャメロン首相はEU条約第50条の行使を9月初めに決まる後任の首相に委ねる意向である。その後ようやく2年間の期限付きの離脱交渉が開始されることになる。交渉の間は英国はEU加盟国として留まる。
ユンケル委員長は、公式の離脱申請の前に「薄暗い部屋で」他のEU加盟国と交渉を始めて、EU域内市場への今後のアクセスを確保しようとする英国政府の「こそこそした」動きを批判した。私は、そうした交渉には応じないよう欧州委員らに「厳命」を下した。交渉が公式に始まれば、「私たちが議事日程を決める。EUを去ろうとする者が決めるのではない」と委員長は述べた。
欧州議会は、英国に対し「直ちに」離脱手続きを開始するよう求める決議を午前中に可決する意向である。午後にはEU首脳会議が開かれる。その後キャメロン首相は他のEU加盟27ヶ国の首脳に晩餐の席で国民投票の結果を報告する意向である。水曜日にはキャメロン首相抜きで協議が行われる。おもなテーマは離脱手続きの進め方であり、残りの27ヶ国がEU内でどのような協力関係を目指すかである。
ユンケル委員長は18分間の演説で熱を込めてEUをアピールし、残りの27ヶ国に対して将来に目を向けるよう求めた。「EUの夢は続く」。今は「自己陶酔のとき」ではない。ヨーロッパ大陸の大志に再び生気を与えるときだ、と訴えた。
ユンケル委員長は健康状態が悪化しているとの報道やチェコのルボミール・ザオラーレク外相が英国国民投票の結果を理由に求めた退陣要求に対して、激しく反論した。「私は疲れてもいなければ病気でもない。息絶えるまで統一欧州のために闘うつもりだ。」
欧州議会の自由党系議員団のギー・フェルホフスタット代表は、英国のEU離脱選挙運動は「ナチスのプロパガンダ」を思わせるものだったと批判し、今やEUは「勇気と信念をもって」未来に目を向けねばならない、と訴えた。
保守系の欧州人民党（EVP）のマンフレート・ヴェーバー議員団長（キリスト教社会同盟CSU）は、欧州委員会が英国との交渉を行い、欧州議会がそれを監督するよう求めた。あわせてヴェーバー議員団長は、英国政府がいくつかのEU加盟国の人々を入国させないのであれば、英国民にはEU内での移動の自由が認められない、と述べた。
原題：Juncker fordert von London raschen Start von Austrittsprozess