2016年6月29日(水)01:24

EU首脳会議はキャメロン首相に離脱申請の猶予を与える

AFP

EUは英国に対し、EU離脱公式申請のために9月まで時間的猶予を認めた。EU加盟国首脳は「騒ぎがおさまるまで多少時間が必要だと理解」を示した、とドナルド・トゥスクEU常任議長は火曜日、EU首脳会議を終えて語った。辞任を控えたデイヴィッド・キャメロン首相は満足を示した。ドイツのアンゲラ・メルケル首相(キリスト教民主同盟CDU)は、英国の離脱は変えられないと考えると述べた。

英国は先週木曜日の国民投票で意外にも52パーセント弱の賛成でEUからの離脱を決定した。これを受けキャメロン首相は9月までに辞任する意向を表明した。その後新たに選出される首相が英国のEU離脱の意思を正式にEUに通知する予定である。この通知をもって2年間の期限付きの離脱交渉が開始される。

英国のEU離脱決定を受けて、この数日間金融市場の混乱が続いており、EU各国首脳は依然「可能な限り速やかに」離脱通知を行うよう望んでいる、とトゥスク常任議長は述べた。しかし英国に対する離脱通知の期限設定は行われなかった。

首脳会議の閉幕文書では英国の離脱に関して短い一文がつけられただけである。「連合王国の首相は欧州理事会に対して連合王国の国民投票の結果を通知した。」

欧州委員会のジャン・クロード、ユンケル委員長は、「離脱を訴えながら、その後自分たちが何をしたいのか伝えられない」人々のことがまったく理解できない。私は離脱支持者が「何らかの計画」を持っているものとばかり思っていた、と述べた。

ユンケル委員長は、キャメロン首相が晩餐会の席でEUからの移民の問題が英国のEU離脱賛成をもたらしたと述べたことを認めた。しかし私自身はこれが当たっているとは思わない、とルクセンブルク出身のユンケル委員長は述べ、キャメロン首相にもこの結果の責任があると語った。「国民に何年も何十年もEUはおかしいと言い続けていれば、有権者がそれを信じたとしても驚くには当たらない。」

メルケル首相は、私には「この結果をもう一度逆転させる手段は見つからない」。「現実を見据える」ことが全員に求められる。「希望的観測」は相応しくない、と述べ、「離脱からの離脱」Exit vom Brexitの可能性に対する期待に釘をさした。

キャメロン首相に腹を立てているかとの質問に対して、メルケル首相は「憤懣や立腹は政治行動には無縁である」と答え、辞任を控えたキャメロン首相との協議は「悲しいきっかけを引きずりつつも」「真剣に、仲間同士の雰囲気」で行われたと語った。

キャメロン首相自身は最後の首脳会議で、私は国民投票を実施したことを後悔していない。「これは正しい行動だった」。もちろん結果は残念に思うが、と語った。

最後の首脳会議後の晩餐会でキャメロン首相はEU各国首脳に対して、英国が今後もEUと「できるだけ密接な経済関係」を維持したいとの希望を表明した、と英国政府の代表は伝えた。しかしその「鍵」は私の見解ではEUが自由な移動の権利を改革することである、と述べたという。

今後の英国のEUに対する関係がどうなるのかはまったく未確定である。英国はEUの域内市場への参入をできるだけ維持したいと望んでいる。

フランスのフランソワ・オランド大統領は首脳会議の席で、そのためには英国が「あらゆる面で対価を払う」必要がある。これには移動の自由の維持も含まれる、と発言した。「資本、モノ、サービスの移動の自由を手にしながら、人の移動については『自国に留まっていろ』と言うことは許されない」。「『4つの自由かゼロか』のいずれかだ」と語った。

首脳会議の前、英国EU離脱のリーダ、ナイジェル・ファラージは欧州議会で勝利をかみしめた。「もう皆さんは笑えないだろう」と反EU政党の英国独立党(Ukip)党首を務めるファラージ欧州議員は述べ、「連合王国は欧州連合を離脱する唯一の国とはならない」と予告した。

原題:EU-Gipfel gibt Cameron fuer Austrittserklaerung Zeit




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