2016年6月29日(水)21:23

EU27ヶ国首脳会議:離脱後の英国には「選り好み」の域内市場利用を認めず

AFP

英国抜きの初めての首脳会議は水曜日、英国には特権的な「選り好み」の域内市場を認めないとあらためて発表した。さらにドイツのアンゲラ・メルケル首相(キリスト教民主同盟CDU)はEU条約の改正に反対する意向を表明した。スコットランドの二コラ・スタージョン自治政府首相はブリュッセルで会談を終え、EU残留というスコットランドの希望の実現に向けた道のりが厳しいことを認めた。

27ヶ国のEU首脳はブリュッセルの首脳会議で、英国が欧州連合内の移民を制限するならば、離脱後の英国にはEU域内市場を固く閉ざすことで合意した。英国には「選り好みの域内市場は認めない」とEUのドナルド・トゥスク常任議長と欧州委員会のジャン・クロード・ユンケル委員長は語った。「域内市場への参入を望む者は、四つの自由も受け入れねばならない」とユンケル委員長は述べた。これはEUのサービス、モノ、資本、人の移動の自由を指す。

ユンケル委員長とトゥスク常任議長はまた、英国政府がEU離脱を申請しない限り、離脱後のEUと英国との関係に関する交渉は行わないと明言した。「申請なしに交渉なし」とユンケル委員長は述べた。

辞任を控えた英国のデイヴィッド・キャメロン首相は離脱届を後任の首相に委ねる意向である。後任は9月にならないと選出されない。キャメロン首相は水曜日英国下院で、「私たちが正しい方向にスタートできるよう」それまでに少なくとも「議論」は可能だろうとの考えを示した。

EU各国首脳はEUが迅速かつ効果的に21世紀の課題に対応できるよう、改革の議論を行うことで合意したとメルケル首相は述べた。9月16日にブラティスラヴァで開かれるEU臨時首脳会議ではこの問題についてさらに突っ込んだ議論が行われる予定である。

「ポピュリストに利用される現状ほど厄介なものはない」とフランスのフランソワ・オランド大統領は述べた。オランド大統領はメルケル首相同様、選挙を来年に控えている。メルケル首相は、EUは市民に繁栄と安全をもたらし、雇用創出に貢献し、競争力を高めねばならず、その際若者に「特に焦点を」当てる必要がある、と語った。

ギリシャのアレクシス・ツィプラス首相は「社会的なEU」に向け「勇気ある提案」を行うよう求めた。その際ツィプラス首相は北欧と南欧で失業率が大きく隔たっていることを指摘した。

メルケル首相は、「もし私たちが条約改正の議論を始めれば、ほんとうに誤ったことに着手することになる」。条約改正はおそらく何年もかかり、最後には加盟国の議会ないし一部は国民投票による批准が必要になる、と述べた。

スタージョン自治政府首相は水曜日ブリュッセルでの協議を終えて、私は「勇気を得た」気持ちだ。だがこれはもちろん、英国のEU離脱国民投票後スコットランドにとって欧州連合残留に向けた「自動的で容易な道のり」ができたということではない、と語った。

スタージョン自治政府首相はユンケル欧州委員長や欧州議会のマルティン・シュルツ議長(社会民主党SPD)らと会談した。スコットランド民族党(SNP)の党首を務めるスタージョン自治政府首相は、私は引き続きスコットランドの利益のために尽力すると述べた。

だがフランスとスペインはスコットランドとの特別交渉に反対を表明した。スペインのマリアーノ・ラホイ首相は、交渉相手は英国政府だけだと述べた。フランスのオランド大統領も同様の発言を行った。

英国は先週木曜日の国民投票で僅差となる52パーセントの賛成でEU離脱を決定した。しかしスコットランドでは62パーセントが欧州連合残留を支持した。

原題:EU27-Gipfel: Fuer London kein Binnenmarkt "a la carte" nach Brexit




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