2000年6月10日(土)16:00

拡大交渉はいよいよ大詰めに

クラウディア・ケマー

最後の最も難しい項目の交渉がルクセンブルクで開始される  「我々はタイムスケジュールどおり」  非公式の推測では拡大の開始は2006年

AP通信員クラウディア・ケマー

ブリュッセル(AP)

欧州連合は加盟候補国および自らを鼓舞しようとしている。もはや誰も2003年の加盟を話題にしないにせよ、欧州連合はルクセンブルクで開かれているマンモス会議をもって拡大交渉の進展を評価する。EUの外相は火曜日と水曜日に、先陣を切る6つの加盟候補国、すなわちポーランド、ハンガリー、チェコ、スロヴェニア、エストニアおよびキプロスと最後の項目であり同時に最も難しい項目でもある農業に関して交渉を開始する。去年の12月に加盟候補国の承認を受けたばかりの第二陣のグループ、すなわちスロヴァキア、ルーマニア、ブルガリア、ラトビア、リトアニアおよびマルタの外相も交渉のテーブルに招かれている。

 「我々はタイムスケジュール通りに進んでいる」とEU拡大担当委員ギュンター・フェアホイゲンのスポークスマンは語った。ジャン・クリストフ・フィローリは第一陣の6カ国との31項目すべてにおよぶ交渉の開始を転換点と評した。このうちの4カ国、ポーランド、スロヴェニア、ハンガリーおよびキプロスとは同時に財政監査という交渉項目が決着を迎える。またチェコとは関税同盟と外交関係で交渉の締結に至る。

しかし「交渉」という言葉は加盟との関係で誤解を招く。なぜなら問題になっているのは欧州連合の基準を受け入れることであるからだ。加盟候補国は自国の法律をEUのレベルにどれほど近づけたかを示し、改善の必要があるケースではどのような方策をとろうと考えているのかを報告しなければならないのである。加盟国が「交渉する」余地があるのは移行期間を考慮する場合のみである。たとえば労働者の移動・居住の自由の問題や、新加盟国における土地取得の問題、あるいは農民に対する直接補助金の支払いの問題に関してなど。

 もし加盟申請国があくまでも要求を変えず、加盟初日から自国の農家に対し直接補助金が支給されるよう求めるならば、2006年以前の加盟は一ヶ国たりともありえないだろう。なぜなら2000年から2006年までのEUの財政計画ではこの関係の予算は組まれていないからである。また過去2年間の交渉を振り返っても、鋭敏な計算家ならば同じ結論を導き出すであろう。「たとえば、統計あるいは文化というような11の簡単な項目に関しても2年間を費やしたポーランドの場合を考えてみれば、交渉が同じスピードで進むとすれば交渉の終結は2003年の終わりか2004年の始めになる」とフィローリは述べる。「さらに条約の批准に2年を見込めば、きわめて順調に進んだ場合でも2006年の加盟となる。

   昨年秋の就任直後こそ欧州委員長ロマーノ・プローディも加盟期日を示す意向であったが、もはや欧州連合が期日を設定しようとしないのも不思議ではない。ドイツ連邦外相ヨシュカ・フィッシャーももはや「幻想的な期日の議論」を行うつもりはないと述べている。「期日を議論することは、ヘルシンキ首脳会議以降正当化されえない不信の表れである」とフィッシャーは考える。いずれにせよもはや半年早いか遅いというような問題ではない。なぜなら不安や不信は首脳会議の拡大決議で一掃されたのだから。」2003年という魅惑的期日はEUが自らに設定したものである。それまでにEUは新たな国の受け入れの前提条件となる機構改革を施行させようという意向である。欧州委員会はその任期が切れる2005年までに拡大交渉を大筋で完了させようという考えである。

原題:Bei Erweiterungsverhandlungen geht es ans Eingemachte
von: Claudia Kemmer
Letztes und schwierigstes Kapitel wird in Luxemburg eroeffnet - "Wir liegen im Zeitplan" - Informelle Berechnungen verweisen auf 2006