2001年3月2日(金) 19:39
ブリュッセル(ロイター)
欧州委員会の予想では、EU拡大後も東欧諸国から欧州連合(EU)への移民は限度内に留まるという。来週発表される欧州委員会の報告書は8ヶ国へのEU拡大の初年度に70,000から150,000人が現EU加盟国に移住すると予測している、と金曜日ブリュッセルのEU筋は伝えた。また、後の家族の移住を含めるとこの数字は330,000人に上り、そのうちのほぼ三分の二はドイツに住む可能性があると見ている。
すでにドイツのゲルハルト・シュレーダー首相(社会民主党)は、通常は加盟後7年間東欧諸国の労働者にEU労働市場全体への自由な参入を認めるべきでないと主張している。この移行期間に対してはとりわけポーランドのアレクサンダー・クファシニェフスキ大統領が拒絶の姿勢を見せている。移行期間が長すぎる、と大統領は火曜日、シュレーダー首相とフランスのシラク大統領との会談の席で述べた。私はポーランドのEU加盟後もポーランド人労働者が大量に移動する事態には至らないと確信している、と大統領は語った。欧州委員会の広報官は木曜日、来週発表の委員会の報告書には移行期間の問題について自由選択権(オプション)が述べられるに留まり、加盟国に対する明確な勧奨が含まれないことを強調した。
また、この調査では総計で390万人が加盟候補国から現EU加盟国に移住すると推定しており、拡大後30年にこの数字に到達すると予測される、とEU筋は伝えている。
EUは現在12の東欧および地中海の国々と加盟協議を行っている。EU各国首脳は昨年12月のニース首脳会議で、第一陣の国々が2004年にEU加盟を果たせるものと期待すると宣言した。EU諸国は加盟協議において候補国に対し移動の自由に関する移行期間の提案を行う意向である。しかし具体的な移行期間についてはEU諸国の間でいまだ合意がない。
原題:EU sieht nach Erweiterung keine Auswanderungswelle
J-J