2001年3月8日(木)13:52

フィッシャー外相はEU東方拡大を経済的チャンスと見る

ベルリン(ロイター)

ドイツのヨシュカ・フィッシャー外相(緑の党)はEU東方拡大をドイツにとって経済的チャンスと評した。フィッシャーは木曜日連邦議会で東ドイツの国境地域の懸念を踏まえ、「ポーランドが加盟しないような事態になれば、あらゆる問題が飛躍的な増加を見せることになるだろう」。東ドイツの諸州は拡大の利益に与れるのである。しかし「国境が閉ざされたままなら、狐やウサギが跋扈跳梁し、そこに巣くうことになる」とフィッシャー外相は国境地域を念頭において語った。

「東方拡大は分断されたヨーロッパを一つに結びつける大きな歴史的チャンスなのである」とフィッシャーは続ける。たとえばポルトガルの例などは貧しい国々もEU加盟後に「欧州の国民経済の重要なファクター」に発展しうることを示している。「この成功の歴史を私たちは繰り返そうと考えているのだ」。東方拡大の利点は強調されねばならない。しかしまた不安に対しても真剣に取り組まねばならない、とフィッシャー外相は語った。

フィッシャー外相は、欧州の労働市場を加盟候補国の労働者に対し開放するまで、加盟から7年間の移行期間を設けることを主張したゲルハルト・シュレーダー首相(社会民主党)の提案を擁護した。統一的なブランドが定められなければ、加盟候補国の間で威信をめぐる議論が起きるおそれがある。それに加え、大きな柔軟性を持たせた上で相当の移行期間を取り決め、労働力の氾濫に対する人々の不安を解消した方が良い、と外相は主張した。

シュレーダー首相は、EU労働市場の早期完全解放または部分開放を新規EU加盟国に認める提案を行っている。さらに新規加盟国は移行期間の再検討を申請できるものとしている。労働市場の移行期間をめぐるEUの協議は2001年上半期にも行われる予定である。目下EUは主に東中欧の12の国々と加盟協議を行っている。EUは2003年から拡大を受け入れられる態勢を整える意向である。

原題:Fischer sieht in EU-Osterweiterung wirtschaftliche Chance

TFC