2001年3月9日(金)11:57

連邦参議院はEU東方拡大に関し移行期間を要求

ベルリン(ロイター)

欧州連合(EU)の東方拡大後の自由な職場選択の問題に関し、連邦参議院は連邦政府と同様、数年間の移行期間を設けるよう主張した。新規加盟国の労働者に対する移行期間は、ECがスペインとポルトガルへ南方拡大した際の移行期間と比較できるものとするべきである、と連邦州は金曜日ベルリンで決議した。当時は労働者の移動の自由に関して7年間の移行期間が取り決められた。ゲルハルト・シュレーダー首相(社会民主党)も東方拡大に関し同じ期間を提案している。さらに諸州は地域的な特別規定の余地も求めた。これに対し、ヨシュカ・フィッシャー外相(緑の党)は、欧州の統合プロセスを妨げるおそれがあるとしてこのような例外規定を設けることに警鐘を鳴らした。

EUは現在東欧・中欧および地中海の国々と加盟協議を行っている段階である。ドイツの隣国ポーランドとチェコもこれに含まれている。EUは2003年から新たな加盟国を受け入れられる態勢を整える意向である。

決議案の中で諸州は、ヨーロッパの安定に貢献しすべての加盟国に新たな経済成長のチャンスをもたらすとの理由から東方拡大を支持する。完全な受け入れの条件として決議は「国境を越えた警察・司法協力の効率的機構組織」の確立を求めている。とりわけ国境周辺地域の越境通勤の問題が考慮されねばならないとしている。新規加盟国に有利となるように場合によっては環境基準の移行規定を設けることについては、諸州は競争を歪めるおそれがあるとしてこれに反対の姿勢を示した。

フィッシャー外相は加盟協議の基本的問題に関して諸州から連邦政府に対する支持が得られたことを歓迎した。先に発言した諸州の代表と同様フィッシャー外相も、東方拡大に対する市民の不安を真剣に受け止めねばならないと強調した。しかし一方でまた外相は、欧州共同体の南方拡大が「北の国々の高い雇用」を生み出したと指摘し、今回もまた地域市場にとってチャンスが到来すると述べた。

しかしフィッシャー外相は、移行規定に関する地域的な要求についても「国の裁量余地」を確保すべきとした決議部分については厳しく批判した。 権限を取り戻そうと試みたり共同体化を阻害しようと考える者は誤りを犯している。「そうなれば私たちは手ひどいしっぺ返しを受けることになろう」。他のEU加盟国の大半はそのような動きには与しないだろう、とフィッシャーは語った。

原題:Bundesrat fordert Uebergangsfristen bei EU-Osterweiterung

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