2002年3月1日(金)13:31
ブリュッセル(AP)
欧州委員会のギュンター・フェアホイゲン拡大委員は、チェコとドイツの関係にも影を落しているベネシュ布告をめぐる論争を客観的に行うよう勧告した。「私は事態の沈静化を緊急に勧告する。この件は欧州の統合と統一の精神で議論すべきである」と同委員は金曜日ブリュッセルにおいて、チェコのヤン・カヴァン外相との会談を終えて語った。カヴァン外相は「ベネシュ布告は歴史的な文脈で考える必要がある」と強調した。
フェアホイゲン委員は、同布告はすたれており、チェコに対して「歴史を書き換えるよう」求めることはできない。チェコの欧州連合加盟の計画にとって唯一重要なのは、同国に現在、差別を認めるような法律が存在しているか否かという問題だけである。「もしそのような主張をする人々がいれば、われわれはこれを調査しなくてはならないが、これまでのところそうした事例を確認していない」とフェアホイゲンは語った。カヴァン外相は、もしそのような事例があれば、チェコ政府はそうした状況を直ちに改善するつもりである、と述べた。
ズデーテンドイツ人に関するチェコのミロシュ・ゼマン首相の発言は、この数週間たびたび不協和音を引き起こしてきた。ゼマン首相はズデーテンドイツ人を「ヒトラーの第五列」と呼ぶなどして、終戦時の彼らの放逐とあわせてベネシュ布告をも正当化した。
これに対し、ハンガリーのヴィクトル・オルバン首相は、チェコがEUに加盟するためには同布告の撤廃が必要であると述べ、両国間に大きな摩擦を引き起こした。ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相は木曜日、3月に計画されていたプラハ訪問を理由を挙げずに取りやめた。
原題:Verheugen mahnt Sachlichkeit im Streit ueber Benes-Dekrete an
"Im Geist der Europaeischen Integration und Einheit diskutieren"