2002年3月27日(水)16:05

トルコはEU加盟に向けて国民の基本権を拡大

アンカラ(ロイター)

トルコ議会は、国民に一層の基本権を認め、同国を欧州連合(EU)加盟実現に近づける一連の法律改正案を可決した。

火曜日の夜、議会で承認された改正案では、国家保安省に関係する訴訟手続きにおける弁護士依頼状況の改善、および学生団体の規制緩和などがはかられている。また、人権に関する欧州司法裁判所が拷問の責任を認定した警察官に対して、罰金刑を科すことも定められている。

これに加えて、今後は、憲法違反とされた政党を禁じることも難しくなる。改正案によれば、裁判所は国家による政党への資金援助のみを廃止することができる。トルコでは1960年以来、およそ20の政党が憲法違反の行為により禁じられた。

法律改正はトルコでは、欧州連合の基本的な加盟基準を達成するための基礎と見なされている。トルコは1999年12月以来、EU加盟候補国の扱いを受けている。しかし同国との間ではこれまで具体的な加盟交渉は行われていない。同国内の人権保護がいまだEU基準を満たしていないと欧州連合は考えている。

しかしながら一方ではこの改正案は不充分との声もあり、EU加盟を可能にするという目標を満たしていない、と批判されている。とりわけ議論があるのがクルド語のラジオ放送の問題である。放送禁止は撤廃されるべき、と憲法の付記に記されているものの、議会は法律改正の際にこれにまったく手をつけなかった。祖国党は、私立学校でのクルド語の教育を認めるよう提案していた。しかし、国民党(MHP)の党首セフケシュ・ヤーニジSevkez Yahnici は、その提案は不可能である。そのためには憲法改正が必要であり、これに必要な議会の多数票を欠いている、と反対した。

今回の法律改正では、EUが求める死刑制度の撤廃も考慮されなかった。テロや国家反逆罪のような犯罪には引き続き死刑が適用される可能性がある。1984年以降死刑は執行されていない。だが国家反逆罪で死刑の判決を受けたクルド労働者党(PKK)のアブドラー・オジャラン党首は、監獄島で拘留中である。オジャランの支援者は人権に関する欧州司法裁判所に判決の破棄を求めている。

原題:Tuerkei schafft mehr buergerliche Grundrechte fuer den EU-Beitritt