2005年3月8日(火)18:17

トルコのEU加盟をめぐる論争が再燃

フランクフルト・アム・マイン(AP)

イスタンブールのデモ参加者に対するトルコ警察の野蛮な行動は、トルコのEU加盟資格をめぐる新たな論争に火をつけた。「10月3日の期日が守れない可能性は充分考えられると思う」と、ドイツのキリスト教民主同盟(CDU)のエルマー・ブローク欧州議員は日刊紙『ディー・ヴェルト』Die Welt に語った。EUは、昨年12月17日の加盟全25ヶ国の首脳会議の決定に従い、この日にトルコとの間で加盟交渉を開始する意向である。

緑の党のアンゲーリカ・ベーア欧州議員もトルコに対し、10月3日のEU加盟交渉開始を危うくせぬよう警告した。ベーア議員はデモに対するトルコ政府の干渉に関して、昨年12月のEU首脳会議における加盟交渉開始の決定は「デモを暴力で追い散らしたり、マイノリティーを差別し続けても良いなどという白紙手形ではない」と戒めた。

ベーア議員は、トルコが改革を実行するという約束を果たしていないと批判した。昨年12月にEU加盟国がトルコとの加盟協議の開始を決定して以来、トルコでは「人権とマイノリティーの権利の問題で、後退とは言わないまでも停滞が認められる」。このような状況が続くならば、これはリスクとなる、と警告した。

トルコ警察は日曜日、約300人が参加した無届のデモを警棒と催涙ガスを使って解散させた。テレビでは治安部隊が参加者を追いかけ、警棒で殴りかかる光景が映し出された。一人の女性は地面に押さえつけられ、別の警察官に顔を踏みつけられた。

原題:Neue Debatte um tuerkischen EU-Beitritt entfacht




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