2005年3月23日(水)12:38

クロアチアのEU加盟交渉開始に新たなチャンスを

ブリュッセル(AP)

欧州連合はクロアチアに対し加盟交渉開始の新たなチャンスを与えることを決めた。EU各国首脳は水曜日ブリュッセルで、独自の調査チームを設け、クロアチアが旧ユーゴスラビアの戦争犯罪を裁くハーグ国連戦犯法廷と全面的に協力しているか否かを調べることで合意した。「私たちはクロアチアとの間で、何をすべきかを高いレベルで話し合う意向である」とドイツのヨシュカ・フィッシャー外相は語った。

この調査チームにはEU議長のルクセンブルク、欧州委員会、ハビエル・ソラーナ外交上級代表、ならびにイギリス、オーストリアが参加する。調査の結果をいつまとめるかは決まっていない。フィッシャー外相は、調査はただちに開始されると述べ、EUの決定状況には「何ら変化がない」と強調した。

EU各国外相は先週、当初3月17日に予定されていたクロアチアとの加盟交渉開始を無期延期した。延期の一番の理由は、捜索を受けているクロアチアの戦犯容疑者、アンテ・ゴトヴィナ元将軍の身柄が依然ハーグ国連戦犯法廷に引き渡されていないためである。とりわけイギリスが強く延期を主張していた。

これに対しオーストリア、スロヴァキア、スロヴェニアは加盟交渉を開始するよう求めていた。イギリスとオーストリアが調査チームに加わる理由はここにある。調査チームの設立はオーストリアのヴォルフガング・シュッセル首相が提案した。EUの交渉延期の姿勢はとりわけカルラ・デルポンテ国連主任検察官の見解を拠りどころにしている。デルポンテ主任検察官は、クロアチア政府がゴトヴィナ元将軍の潜伏先を知っており、捜索を妨害していると非難している。しかしクロアチア政府はこれを否定している。

フィッシャー外相は、ドイツ政府はクロアチアとの加盟交渉開始に関心がある。しかしEUはあくまでも基準を守る、と述べた。このEUの姿勢は「EUが自らの決定を厳格に取り扱う」という、他の加盟候補国へのシグナルとしても理解されねばならない、と外相は強調した。

ゴトヴィナ元将軍は1995年のクロアチア軍のクライナ侵攻の際、150人のセルビア人殺害および150,000人の放逐に関わったとされている。クロアチアでは元将軍は社会の一部から英雄として賞賛されている。そのため、身柄引き渡しは難しい問題と見なされている。クロアチア政府は2003年にEU加盟を申請した。

原題:Neue Chance fuer Kroatien




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