2006年3月11日(土)17:25

EUは西バルカン諸国に加盟の扉を閉ざさず

ザルツブルク(AFP)

西バルカン諸国のEU加盟への扉は閉ざされない、とEU各国外相はザルツブルクで共同声明を発表した。しかし加盟にあたってはEUの「受け入れ能力」も配慮されねばならないとオランダのベン・ボト外相は釘を刺した。EU加盟を目指すスピードはそれぞれの国の加盟基準の達成度に左右される。加盟は「自動的プロセス」ではない、と同外相は述べた。

このザルツブルク宣言に最終的な目標としてEU加盟を盛り込むことは、西バルカン諸国の強い要求でようやく実現した。これに対しEU各国外相は、加盟を希望する国々が一層EU基準に近づき、この地域の安定と繁栄を目指す必要があると勧告した。

「これらの国々あるいはいずれの国もが最終的に加盟を果たすかは、それぞれの国の内政や経済・政治の発展にかかっている」とドイツのフランクヴァルター・シュタインマイヤー外相は二日間の会合を終えて語った。「一連の国々」の発展は「心強い発展」であるが、「だからといって、EU水準に接近しているというわけではない」。「その限りにおいてまだ道は遠い」、とシュタインマイヤー外相は述べた。しかしオーストリアのウルズラ・プラスニク外相はこの外相会合を西バルカン諸国に対する「励ましのシグナル」と述べた。

2月下旬に引き続き、EU各国外相はハーグのユーゴ国連戦犯法廷との全面的な協力を求めた。EU各国外相は国名を挙げなかったが、2月の段階ではセルビアとモンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴヴィナに対して、全面的な協力がなければEUとの安定連合協定の交渉を中断すると明確に警告している。両国はとりわけ、まだ逮捕されていない戦犯容疑者を国連戦犯法廷に引き渡すよう求められている。

イギリスのジャック・ストロー外相は、コソボの独立は「ほとんど避けられない」と述べて批判を受けた。「これは決定されたことではない」とハヴィエル・ソラーナEU外交上級代表は明確に述べた。コソボの独立は特定の国々の意見かもしれない。だが結局のところ は何も決まっていない、とソラーナ代表は語った。セルビアのヴク・ドラスコヴィッチ外相は、ストロー外相の発言は国連憲章やヘルシンキ最終文書、国際法に違反するとの見解を表明した。

原題:Tor in die EU bleibt fuer Westbalkanlaender offen




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