2007年3月2日(金)14:24
ブリュッセル(AP)
トルコのEU加盟交渉に新たな動きがあった模様である。トルコのアリ・ババカン主任交渉官もEU外交筋も金曜日、ドイツのEU議長任期中にも35分野のうちの4分野の交渉が公式に開始されるとの見込みを表明した。「私が思ったよりも早く始まる」とEU高官の一人はブリュッセルで述べた。ババカン主任交渉官は、トルコは今後ともEUの基準とは無関係に国内改革を進めると強調した。
EU加盟に必要な条件は35分野に分かれている。EU外交筋は、教育・文化ならびに産業・企業の分野についてトルコはすでに交渉姿勢を表明している。今度はEUが交渉姿勢を文章化し、EU各国外相の承認を得る番だ、と語った。
しかしEU外交筋によれば、教育・文化の分野はクルド問題のため大きな障害があるという。そのためまずは産業・企業について公に交渉が開始されることになろう。しかしさらに3分野の交渉姿勢を示すようトルコに求めている。これに関する協議も6月30日のドイツEU議長国任期の終わりまでに開始される可能性がある、とEU外交筋は伝えた。
ドイツのフランクヴァルター・シュタインマイヤー外相は昨年12月、EU議長国のプログラム発表にあたって、私はドイツの議長任期中に2分野ないし3分野の交渉が開始できれば幸運と考えると述べていた。欧州委員会のオリ・レーン拡大担当委員の広報官は金曜日、欧州委員会は4分野の交渉開始を目指していると認めた。
トルコのババカン主任交渉官はブリュッセルを訪問し、欧州委員会と議長国ドイツの支持を歓迎する旨を表明した。しかし一方で、トルコはこれ以上EUによる特定の分野の交渉開始決定を待つつもりはない。むしろトルコ政府は2007年から2013年までの独自の改革プログラムを準備し、遅くとも4月には発表する意向である、と述べた。「トルコは数多くの領域で改革を行なう必要があり、私たちはとても辛抱できない」とババカン交渉官は新聞記者に語った。
「歴史的なキプロス問題があるからといって、私たちは子どもたちにバクテリア入りのミルクを飲ませるわけにはいかない」とババカン交渉官は述べた。これはキプロス問題によりトルコとの加盟交渉の一部凍結を決めた、昨年12月のEUの決定を指す。
外交筋の情報では、これまでのところキプロス問題ではほとんど進展が見られないという。シュタインマイヤー外相はドイツのEU議長国就任前に、ギリシャ系のキプロス共和国が国際的に孤立したトルコ系来たキプロスとの直接貿易に合意するだろうとの希望を表明していた。それによりトルコとEU加盟国キプロスとの緊張が緩和されると考えていた。トルコ政府はギリシャ系キプロスの船舶や航空機の入港を拒否しており、そのためにEUから加盟交渉の一部凍結という制裁を受けた。
原題:Bewegung in Verhandlungen ueber Tuerkei-Beitritt