2008年3月5日(水)15:56

欧州委員会:「セルビアはEU加盟路線に戻るべき」

ブリュッセル(AP)

欧州委員会はセルビアに対しEU統合路線に戻るよう呼びかけた。「私たちはセルビア政府に対し、あらためて欧州連合との関係強化という方針を発表するよう求める」と欧州委員会のオリ・レーン拡大担当委員は水曜日ブリュッセルで述べた。「私たちはセルビアがその意向を表明次第、関係強化を進める用意がある」。レーン委員は他の西バルカン諸国に対しても教育分野での協力強化を発表し、関係強化の意向をアピールした。

セルビアのEU加盟努力は、ドイツなどのEU加盟国によるコソボ独立承認に立腹したため、事実上ストップしている。セルビアのヴォイスラフ・コシュトニッツァ首相は火曜日、EUがコソボに対するセルビア政府の要求を認めない限り、EUとの関係強化を図るつもりはないと述べた。しかしボリス・タディッチ大統領はこのような前提条件を拒否している。

市民社会に対する一層の資金援助

欧州委員会は水曜日、セルビア、コソボ、モンテネグロ、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、マケドニア、およびアルバニアに対し、教育と科学の分野における関係強化を提案した。たとえばこれらの国々の学生や研究者への奨学金枠を500に増やすことなどである。

またバルカン諸国に対する年間8億ユーロの財政支援についても増額する意向である。市民社会建設の支援、たとえば社会的プロジェクト、健康施設、人権団体などに対する支援は、2008年から2010年までに3倍に増やすと欧州委員会は発表した。2005年から2007年までの財政年度では、この分野で2700万ユーロが支出されている。

さらに欧州委員会はEUと西バルカンの「交通共同体」創設も図る意向である。目標は法的枠組みを整備して、バルカンのインフラストラクチャへの個人投資を容易にすることである、とジャック・バロ交通担当委員は語った。

加盟期日は明示せず

しかし欧州委員会は西バルカン諸国に対して早期EU加盟の展望は与えなかった。それでもレーン委員はクロアチアについて、「2008年はクロアチアのEU加盟交渉にとって決定的に重要な年になるかもしれない」。しかし司法と行政のさらなる改革、ならびに汚職対策の進展が前提である、と述べた。

2番目の加盟候補国マケドニアとは加盟交渉すら開始されていない。レーン委員は、EU加盟国のギリシャとの間で国名問題が解決しない限り望みは薄いと認めた。ギリシャはマケドニアがその国名を理由に、ギリシャ北部のマケドニア地方に対する領土要求を持ち出すのではないかと危惧している。

レーン委員によれば、ボスニア・ヘルツェゴヴィナとの間では4月にも安定連合協定が調印される可能性があるという。同協定はEU加盟に向けた長い道のりの最初のハードルとなる。アルバニア、モンテネグロ、そして独立を宣言したばかりのコソボはまだその段階に至っていない。

原題:EU-Kommission: Serbien soll auf Weg nach Europa zuruckkehren




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