2008年3月29日(土)15:59

セルビア政府はコソボ問題にもかかわらずEU加盟を目指す

ブルド(AFP)

コソボ独立をめぐる論争にもかかわらず、セルビアは欧州連合加盟を目指す意向である。これはセルビアのヴク・イェレミッチ外相がEU加盟国外相との会談を終えて表明したもの。「セルビアは欧州連合の加盟国となる。ひょっとしたら4年か5年あるいは6年のうちにも」とイェレミッチ外相は述べた。外相の発言は、議会選挙を6週間後の5月11日に控え、膠着状態を打開する試みと受け止められた。EU議長を務めるスロヴェニアのドミトリ・ルーペル外相は、EUの手はさし伸ばされたままであると強調した。

セルビアは2月17日のコソボ独立宣言を受け、EUとの自由貿易およびビザ簡略化の協定締結を決裂させた。イェレミッチ外相によれば、セルビアは差し当たりコソボ承認国から召還した大使を復命させる意思はないという。ドイツや他のEU加盟18ヶ国はコソボを承認している。

外交筋の情報によれば、オランダはスロヴェニアのブルドで開かれたEU外相理事会で、セルビアに対する強硬姿勢を少なくとも再検討することを了承したという。しかしこれがEU加盟の第一歩となる安定連合協定(SAA)への道を開くか否かはまだ分からない。オランダとベルギーは同協定の締結前に、戦犯容疑で告訴されているかつてのボスニア・セルビア軍のラトコ・ムラジッチ司令官の身柄引き渡しを求めている。

EUはブルドでイェレミッチ外相とコソボのハシム・サチ首相との会談をお膳立てしようとしたが、実現には至らなかった。議長国スロヴェニアは、コソボの分離独立以来初めて両者を同じテーブルに着かせようと招待した。しかしイェレミッチ外相は一足早くベオグラードに帰国してしまった。EU外交筋によれば、イェレミッチ外相はEU27ヶ国の外相理事会の席に高位の外交官を代理出席させる意向であった。外交官はサチ首相が発言したならば、あからさまに退席する予定であったという。

EUは、セルビア系住民が多数を占める北コソボの分離独立運動に対し厳しい姿勢で臨むようセルビアに強く迫った。セルビアは「過激な言辞や地域の安全を脅かす一切の行為」を慎まねばならないとEU議長は声明を発表した。

原題:Belgrad strebt trotz Kosovo-Streits EU-Beitritt an




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