2010年3月20日(土)18:30

EU・バルカン首脳会議はセルビア欠席のままスロヴェニアで開催

AFP

バルカン6ヶ国の首脳は欧州連合加盟に向けて、スロヴェニアでEUの代表との首脳会議に臨んだ。セルビアはコソボの招待を理由に出席しなかった。スロヴェニアのボルト・パホル首相はセルビア、コソボ両国の相互承認をバルカン半島の「きわめて重要な問題」と称した。

相互承認に至っていないことが「欧州連合への統合プロセス」を阻害している、とホスト役のパホル首相は述べた。クロアチアのヤドランカ・コソル首相はこの件に関して、ボスニアのニコラ・スピリッチ首相が首脳会議に出席したことを高く評価した。バルカン半島の国々で、かつてのセルビアのコソボ州が行った2008年2月の一方的な独立宣言を承認していないのは、セルビアとボスニアのみである。コソル首相は、二国間の問題はEU統合と結びつけるべきではない、と語った。

トリエストの北、ブルド・プリ・クラニュBrdo pri Kranjuで開かれた今回の首脳会議は、20年前のユーゴスラビア解体以来、バルカン半島のすべての指導者が集まった最初の会合となるはずであった。しかし出席したのは、スロヴェニア、クロアチア、アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、マケドニア、およびモンテネグロの首相にとどまり、セルビアのボリス・タディッチ大統領はコソボが招待されたことを理由に直前になって出席を取りやめた。

アルバニアのサリ・ベリシャ首相はタディッチ大統領の欠席を「残念」と述べたが、スロヴェニア*とクロアチアが主催した首脳会議については、しかしながら「きわめて重要な会談」と評し、EU加盟を目指すこの地域の国々はすべて協力しなくてはならない、と語った。欧州委員会のステファン・フューレ拡大担当委員は会議の開催にあたり、「良い方向への第一歩」と述べた。

一方EUはセルビアに対してさらに7000万ユーロの支援を認めた。このお金はセルビア国民が直接恩恵を受けるものである、とEU代表団はベオグラードで述べた。またセルビアの政治、経済の改革に対する支援でもあり、セルビア北部の都市ノヴィ・サドNovi Sadの橋の再建などに充てられる。一部は健康や教育のプロジェクトにも使われる。

原題:Balkan-Gipfel in Slowenien ohne Teilnahme Serbiens

*訳注:原文には「セルビア」Serbien とあるが、スロヴェニアの誤り。




ホームへ戻る