2010年3月24日(水)13:19
AFP
ドイツのアンゲラ・メルケル首相(キリスト教民主同盟CDU)は来週のトルコ訪問を控え、欧州連合とトルコの関係は「特権的パートナーシップ」にとどめるべきと主張した。メルケル首相はトルコの新聞とのインタビューで、ドイツ政府は2005年から進められているトルコのEU加盟交渉を尊重するが、交渉は結果を約束せず行われる、と述べた。一方、トルコのレチェプ・タイップ・エルドアン首相はあくまでもEU正式加盟を主張した。
メルケル首相は水曜日に報道された新聞各紙とのインタビューで「特権的パートナーシップ」の概要を説明した。このパートナーシップは、現在進行中の加盟交渉のうち27ないし28分野でEUとトルコ政府が合意をはかるというものである、と首相は述べた。加盟交渉は全部で35分野からなる。首相によれば、特権的パートナーシップはEUとトルコの諸機関の統合に関する分野をいくつか除外するのみという。メルケル首相は来週月曜日に2日間の日程でトルコを訪問する。
エルドアン首相はあらためて特権的パートナーシップ案を拒否した。加盟交渉はトルコの加盟を目指すものであり、「EU諸条約には『特権的パートナーシップ』の規定など存在しない」。トルコは「この提案に乗れば大きな過ちを犯す」、と首相はツァイト紙Zeitに語った。あわせて首相は、我が国はEUの求める改革を順調に進めていると強調した。
メルケル首相はトルコ国民に対するEU入国ビザの早期廃止についてトルコ側の期待を鎮めた。この問題ではまだたくさん課題が残っていると首相は釘を刺した。
エルドアン首相はツァイト紙でドイツが二重国籍を導入するよう主張した。私はドイツがこれを認めないのを「きわめて遺憾」に思う。「国籍を離脱しても、民族的出自を変えることはできないのだ」、と首相は述べた。
あわせてエルドアン首相はドイツにトルコ系学校(ギムナジウム)を設立するよう求めた。「私たちはトルコではドイツ系学校の設立を認めている。どうしてドイツでトルコ系学校が認められないのか?」と首相はツァイト紙に語った。首相はこの提案の根拠として、ドイツ在住の300万トルコ人の多くが依然言葉の問題を抱えていることを挙げた。「この問題でドイツは時代の推移を理解していない。子供たちはまず自らの言葉、すなわちトルコ語をマスターする必要がある。しかし残念ながらこれは稀なケースにとどまっている」とエルドアン首相は語った。
原題:Merkel beharrt auf "privilegierter Partnerschaft" fuer Tuerkei