2016年3月4日(金)12:41

EUはシェンゲン圏内の国境検査を12月までに廃止する意向

AFP

欧州委員会は、難民問題で再導入されたシェンゲン圏内すべての国境検査を12月までに撤廃する意向である。12月までに「すべての域内検査」を廃止せねばならない、と欧州委員会のディミトリス・アヴラモプーロス移民担当相は金曜日に語った。欧州委員会は、国境検査が永続的に続いた場合、欧州経済に数百億ユーロの負担となると警告した。

年末までの「シェンゲン復帰」を可能にするために、欧州委員会は三つの優先課題を設ける意向である。ひとつはギリシャのシェンゲン対外国境の保全、二つ目はEU内の難民による「勧誘」の廃止、そして難民問題での加盟国による単独行動の廃止である。

現在、難民流入問題によりドイツを含む7ヶ国が国境での旅券検査を復活させている。国境検査はEU市民が自由に旅行することを妨げるばかりか、「経済的にも大きな負担がかかる」と欧州委員会は説明する。欧州経済への負担は直接的なコストだけでも年間50億ユーロから180億ユーロに上ると欧州委員会は推計している。

欧州委員会によれば、とりわけ観光や越境通勤者、ならびに国境を越えた貨物輸送が大きな打撃を受けるという。たとえばドイツ、ポーランド、オランダの路上輸送にかかる追加コストは5億ユーロ、スペインやチェコでは2億ユーロと推計される。貨物輸送にかかる問題は多くの商品の価格上昇を招く恐れがあるという。

観光では年間1300万件の宿泊減となり、これは金額にして12億ユーロの損失につながる、と欧州委員会は続ける。加えて各国政府には国境検査のため11億ユーロの追加コストがかかるという。隣国に仕事に行くEU内の越境通勤者170万人が国境での待ち時間のために蒙る損害について、欧州委員会は25億から45億ユーロと見積もっている。

原題:Bruessel will Ende von internen Grenzkontrollen bis Dezember




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