2016年3月9日(水)16:50

ポーランドの憲法裁判所は憲法裁判所改革法案を違憲と判断

AFP

ポーランドの憲法裁判所は、民族保守派政権の進める憲法裁判所の改革を違憲として退けた。昨年12月に議会が可決した改革法案の数ヶ条はポーランドの憲法に合致しない。改革案は憲法裁判所の独立と権限分立を制限するため、憲法裁判所の「適切で正しい業務」を妨げる、とポーランド憲法裁判所のアンジェイ・ジェプリンスキ長官は水曜日ワルシャワで発表した。

憲法裁判所の改革はポーランド国内だけでなく国際的にも論議を呼んでいる。改革法案は憲法裁判所の仕事を新たに規定し直し、著しく困難にしている。右派保守系の与党「法と正義」(Pis)が多数を占める議会は、昨年のクリスマス前、野党の反対を押し切り、この法案を迅速続きで可決した。

改革案によれば、憲法裁判所のすべての決定において、これまでの単純過半数から改革後は3分の2の賛成が必要となる。加えて、重要な決定の場合は15名の裁判官のうち13名の出席が必要となる。従来は9名の裁判官で足りていた。批判派は憲法裁判所が麻痺する恐れがあると懸念している。

ポーランド政府は憲法裁判所の判断が下される前から、議会で決定された改革案に憲法裁判所の審査方法が合致していないため、決定は受け入れられないとあらかじめ表明していた。

EUはこの司法改革の問題でポーランドの法治国家性を審査する手続きを開始している。今週末には民主主義と法を審査する欧州評議会のベネチア委員会が、ポーランドの改革法案に関する審査結果を発表する予定である。メディアの報道によれば、同委員会はポーランドの「憲法の危機」と法治国家性の制限に対して警告を発するとみられるという。

原題:Polens Verfassungsrichter weisen Gesetz zur Reform ihres Gerichts zurueck




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