2001年5月14日(月) 18:52

スペインは移行期間の合意を阻止

スペイン政府は構造基金の約束に固執 − フィッシャー外相:「拡大の負担は均等に背負うべき」

ブリュッセル(AP)

財政上の利害からスペインはEU東方拡大協議の進展を阻止している。そのためEU各国外相は月曜日ブリュッセルにおいて、労働市場開放の移行期間に関する問題で共通の見解をまとめることができなかった。スペインのホセプ・ピケ外相は、拡大後もスペインへのEU補助金を基本的に削減しないとの政治的声明を求める同国の要求を主張した。ドイツのヨシュカ・フィッシャー外相はこれを退けた。

「拡大は歴史的課題であり、ヨーロッパにとって大きなチャンスを意味する」。「しかしチャンスは背負わねばならない負担をも伴うものである」。各国外相の議論は、14の加盟国が一国の問題にとらわれるつもりのないことを示した。「拡大後の欧州連合はわたしたち全員に痛みを伴う妥協を求めるであろう」。「連帯は一方通行路ではないのだ」とフィッシャー外相は述べた。

フィッシャー外相は、14ヶ国は新規加盟国の労働者に対する移行期間の問題で、移動の自由を認めるまでに最長7年間の移行期間を設けるとする議長国スウェーデンの提案に従う意向である。いくつかのサービス部門の移行期間についてもこの方向で解決案がまとまりつつある、と述べた。この移行期間は、拡大後も自国の労働市場を保護するためドイツとオーストリアが強く要求しているものである。

6月11日に各国外相はルクセンブルクで合意のための新たな協議を行う意向である。スウェーデンのアンナ・リンド外相は、この論争が6月末までには解決するものと楽観的に見ていると述べた。6月末でスウェーデンの議長期間は終了する。しかしオーストリアのベニータ・フェレロヴァルトナー外相は、スペインの態度は「拡大プロセスを減速させる」おそれがあると主張した。

議長国スウェーデンはあらためて、EU補助金の約束でスペインを納得させ、かつ他のEU諸国にとっても受け入れられる提案を作成する予定である。フィッシャー外相は、一括解決案はありえないと強調し、「わたしたちは2006年に決定すべきことを今の段階で決定することはできない」と述べた。EUの財政計画、およびそれに含まれる格差是正基金および構造基金は2006年に期限の満了を迎える。

その一方でフィッシャー外相は、スペインに対するEU補助金が2006年以降すべて廃止されるわけでないことは自明のことである、と強調した。東ドイツもこれらの基金から数十億もの援助を受けている。スペインは、経済力の弱い国々のEU加盟により統計上豊かな国に分類され、これまでのEU補助金の大半を失う事態を危惧している。

バルカン半島の暴力に対して非難声明

EU各国外相は共通の立場から、バルカン半島で続けられている暴力を厳しく批判し、すべての人種グループに対し、戦闘の停止を呼びかけた。各国外相は南セルビアの休戦協定に対する違反とセルビア当局とアルバニア系代表との対話の欠如に対して憂慮の念を表明した。また、マケドニアのアルバニア系分離主義者の攻撃を「受け入れ難い」と非難した。

午後EU各国外相はEU各国の防衛大臣と会談し、欧州の安全保障・防衛政策の将来に関し協議を行った。協議ではNATOとの関係もテーマとなった。しかし決定を行う予定はなかった。

原題:Spanien blockiert Einigung bei Uebergangsfristen
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